イタリア軒150周年
本日は1ヶ月前に行われた、ホテル・イタリア軒の150周年記念イベントについてお話ししたいと思います。
初Noteの際にお伝えした通り、「イタリア軒アンバサダー」に任命をいただいたことがきっかけで、Noteを通して少しずつイタリア軒のことを皆さんに紹介していきたくなりました。
紹介していくうちに、だんだんイタリア軒のことをだんだん素晴らしいと感じるようになってきたのですが、イタリア軒の最も興味深い要素はその起源にあります。考えてみれば、1世紀半前に遡る歴史を持っているホテルは、なかなかないことだと思います!
簡単にイタリア軒の起源を振り返ってみると、1874年に、新潟で「ミオラさん」として知られる若きイタリア人シェフ、ピエトロ・ミオラは、「イタリア軒」という日本初のイタリア人による西洋料理店を開店し、新潟県の日本人の食生活に大きな影響を及ぼしました。イタリア軒は、単なるの西洋料理店のみならず、西洋の食文化と日本の食文化が交わる場になりました。
イタリア軒を開店してから、困難も少なくなかったですが、新潟県民の支援と愛情のおかげで、イタリア軒が現在まで存続することができました。
また、1世紀以上にわたり、イタリア軒も様々な変化を遂げてきたのですが、料理店からホテルに進化もしました。
さて、開店から150年後、現在の話に戻りますと、10月18日にホテルイタリア軒に集い、重要な記念日を祝いました。来賓者様は約300人で、イタリア軒を守り育てるのに貢献された方々なので、この記念日における祝賀会は彼らへの感謝の気持ちを申し上げるための機会でもありました。
とても貴重なイベントでもあり、イタリア大使のジャンルイジ・ベネデッティ様を初め、イタリア文化アッタシェのシルヴァーナ・デマイオ様、新潟イタリア協会会長のマリオ・ペルヴェルシ、新潟のNSGグループの池田弘会長、ホテルイタリア軒の岡田茂久社長、新潟県知事と新潟副市長、など数多くの著名な方々がいらっしゃいました。
ホテル内のホール(サンマルコ)で記念式典祝賀会を行いました。セレモニー・ホールはとても綺麗でした。入館すると、ゲストを迎えるのは、二羽の鷲をかたどった氷像で、大変素晴らしかったです。2羽の鷲の間に「150th」と刻まれた紋章と黄色と赤の花畑が置いてあり、優雅でした。また、天井のシャンデリアの暖かい光もゆったりした雰囲気をもたらし、周囲のエレガントなテーブルと、壁に映されているイタリアの様々な都市の絵を照らしていました。
この祝賀会での僕の役割はとても重要でした。大使のイタリア語のスピーチを日本語に通訳させていただきました。また、日本人の方々のスピーチをイタリア大使に対して同時通訳をいたしました。こうした大変重要な役割を任せていただき、大変光栄に思っていますし、とても勉強になりました。
このような機会を与えられたことは、非常に幸運だったと今でも思っております。イタリアの大学で日本語を勉強し始めた頃は、このような重要で役割を果たせるようになるとは思ってもみませんでした。振り返ってみると、まさかだとしか思えないですね。
イタリア語だと、「適切な時に適切な場所にいる」ということも言えます。考えてみたのですが、来年新潟に来たら、このチャンスはなかったでしょう。もし留学が1年遅れていたら、あるいは、違う選択をしていたとしたら…、違う道を歩んだ可能性はたくさんありますよね。しかし、今の僕は正しい道を歩んでいると思います。
最初からピエトロ・ミオラとの共通点に気がつきましたが、今回のイベントで、改めてそれを思い知らされました。
話は少し脱線してしまいましたが、もう少しセレモニー自体についても話したいと思います。
一言でまとめてみますと、感動的でした。ステージ上のゲストスピーカの各言葉はその場に大変ふさわしかったですし、お客様への感謝の気持ちと、イタリア軒の未来への願いが分かりやすく伝わりました。
スピーチに続いて、新潟の「古町芸妓」による素晴らしいパフォーマンスも行われました。芸者さんがステージで私たちの前で踊り、唄と三味線の音色がその場を一層引き立てていました。
こういうような日本ならではのパーフォマンスに外国人の心を揺さぶる伝統的な要素です。イタリアから来た僕は、芸者のパフォーマンスをスマホ越しでいくつか見てきましたが、このように、実際に目の前で見るのが生まれて初めてのことなので、とても幸せでした。私に与えられた重要な役割への興奮と、イタリア軒の150周年記念式典祝賀会に参加できたことへの嬉しさなどで、多数の気持ちが交わり合い、芸者のパフォーマンスを見る僕はとても感動し、日本がどれほど好きかを改めて思い知らせられました。
その後、乾杯が行われ、イタリア軒のシェフたちがこの日のために用意してくれた料理をやっといただけました。言うまでもなく、どの料理も美味しすぎて、素晴らしいものでした。ワイン、日本酒などのお酒も、料理ととてもよくマッチしていましたが、それは流石のことですね。
イタリア軒で作られたデザートのレベルは非常に高く、見た目も味も大変素晴らしかったです。その中で、ザッハトルテの味に近い一口サイズのヴィーガンチョコレートも用意していただきました。チョコの中にはフルーツ系のクリームが入っており、白ワインと一緒に食べると良い組み合わせのデザートになっていました。
本日も最後まで見ていただき、誠にありがとうございました。
イタリア軒150周年、とても幸せの思い出になり、本当に参加できて嬉しかったです。
イタリア大使がおっしゃった通り、【建物や人物の歴史のみならず、両国民の友好の歴史をお祝いしました。イタリア軒はホテル以上の存在であり、イタリアと日本の開放性、出会い、相互尊重のシンボルなのです】。これからも、イタリア軒を通じても、イタリアと日本の関係がより盛んになることを願っております。
それでは、次の投稿を楽しみに!
Grazie, al prossimo post!