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#磨け感情解像度 応募作品

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私設賞「#磨け感情解像度」の応募作品です。▶︎募集期間:2020年6月1日〜6月30日▶︎概要 https://note.com/irritantis/n/nd7fc193b6d8a
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#短編小説

カイゼンnoteなショートショート

白地に赤の水玉模様。 水玉の大きさが、少しいびつで。 白地との相性が面白くて眺めていた。 …

摘花の恋【てきかのこい/掌編小説】

手持ちの服をすべて試してやっと選んだすみれ色のワンピースも、二日分のバイト代をつぎ込んで…

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触れたら虚像 | 短編小説

ごめ、飲みすぎた。へへ。 ねえ、かえれない、おれ。ついてきてよお、いえまで。 彼の手には…

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彼女 #磨け感情解像度

 その人のことを、わたしがどう思っているか、もう書くのもいやだけど、その人はとても悪い。…

小川牧乃
4年前
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磨け感情解像度

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解像度、上げるべからず【短編小説】

 私、実はこういうわけで欲求不満です。そう公言することがはばかられる類の欲求不満というも…

生津直
4年前
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東京

なんで、今日という日にかぎって、眼鏡を持ってこなかったのだろう。 昭和のある日のこと。 山手線の駅で電車が止まり、ドアが開くと、そこには、灰色のスーツを着た男たちが規則正しく並んだでいた。詰め入りの学生服を見られてる気がして恥ずかしかったけど、そんなことどうでもいいやと、人の流れに乗って階段を降り始める。足元がおぼつかないが、前の人にくっ付いて、ようやっと階段を降り切ると、受験の時、一度通った見覚えのある改札口が見えた。制帽を被った駅員さんに切符を渡して、外へ出る。 大

感情のワンメーター

「割増」の灯るタクシーを停める。 タクシーに乗り込み、ふと考える。 運転手の隣に表示され…

torutoru
4年前
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鎌倉以上、江ノ島未満

 女っけがまるでなかった無彩色かつ鬱々たる大学生活において、知り合いと呼べる異性はキャン…

ピアス

ベッドルームに落ちていたピアスを拾った。濃い紫と淡い紫が混じりあった小さな宝石がシャラシ…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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青空の月 #磨け感情解像度 (約7000字)

青空の月 それは最近よく見る夢だった。雲の夢だ。 蒼太は高い山の山頂にいる。空は綺麗に晴…

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東京

 この空が白んでいく迄の間、僕は何を考えていたのだろう。自分の生き様や関わる人の事、そん…

KH1992
4年前
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かなしみの音色

ある秋雨の日、十七歳のわたしは音楽室でピアノを弾いていた。ドビュッシーの『夢』だ。窓に流…

ある夜の告白【ショートショート】【#63】【#磨け感情解像度】

「君のことが好きなんだ。どうか……僕と付き合ってほしい」  花火大会の帰り道。「一駅ぶん歩こう」と彼女を誘った河川敷。ほかの人がいなくなったタイミングを見計らって僕は切り出した。彼女はその先を促すように黙ったまま僕を見つめる。僕は慎重に言葉を続けた。 「えっと……その、恥ずかしさが20%、緊張10%、ここから逃げだしたい気持ちが20%、でもやっぱりどうしても好きな気持ちが20%で……ここで言わないとダメだっていう切迫感が30%――に、なります」  彼女は、何か言おうとし