【連載小説】「愛の歌を君に」#9 焦る氣持ち
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前回のお話:
25.<麗華>
拓海の部屋で三人、それぞれに曲作りをしているところへ所属事務所から電話がかかってきた。恐る恐る電話に出ると『相談も無しに仕事を断るなんて、一体どういうつもりなの?』と、開口一番に言われた。しかも相手は社長。直々の電話に恐縮しながらも、あたしは「もう少しだけ仲間と活動する時間を下さい」と懇願した。
「今、一番大事な時なんです。こればかりは、社長になんと言われようとも譲れません」
『仕事がなくなるかもしれない