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随筆(2024/5/1):自分の考える「勝ち筋」を、たまには疑ってみる


0.前書き

0.1.久々にツイートとは無関係に記事を書いている

ツイートのメモをnoteに載せるのは、思い付きを書くには大変適しているのですが、140文字の制約はやはりシビアなものがあります。
連続投稿すればそれも補えるのですが、それはそれとして、
「ちゃんと記事を読み返して丁寧に書く」
というスキルが弱っていくような不安
が、自分の中には少しあったりします。

この4ヶ月は、2024/1/1の令和6年能登半島地震から、ずーっと何かしら忙しく、あまりまともに記事を書いている余裕がなかったのです。
業務上の話なので説明できませんが、2024/4/1から、私の仕事量がかなり増えたのです。
だから、noteの記事についても、ツイートを載せることで済ませがちでした。

2024/5/1のここ最近は、年度末年度始めのドタバタもかなり片付いたのです。
これからはもうちょっと丁寧に記事を書きたいなあ。と思うんですよ。
うまく行けばいいのですが…

(言い訳ここまで)

0.2.ヘッダの説明

ちなみにヘッダは、セガ・オニロ・HIC開発セガ発売の、メガドライブの傑作SF戦略SLG『ハイブリッド・フロント』の第1面の勝利条件と敗北条件です。
戦争で荒廃した未来、零細運送業者がたまたま超兵器の設計図を手にして、運送業者一味を率いて、宇宙経団連勢力と地球国連勢力との三つ巴の戦いを繰り広げる!
パイロットを育てて相性のいい兵器で格上の兵器を撃破すると楽しいんだ。極まった神経鋼線化電脳連携歩兵の小銃対空射撃で大気圏降下作戦中の宇宙戦艦を墜とすことすら可能! (だったはず)
サイコー!

1.自分の考える「勝ち筋」を、たまには疑ってみる

さて、本文に入ります。

たいてい、長く生きていると、
「この場合はこうしたらうまく行く」
という経験則による方法論や、
「今、この方法論をこう組んでやっていけば、ほぼまず間違いなく成功する」
という勝ち筋が、見えて来るものです。

しかし実は、時々は
「その勝ち筋、本当に勝ち筋か?」
ということを、検討しなければならないことがあります。

2.実践と成果は違う。特に、「勝ち筋」の話をしている場合は

何のことかというと、人間の脳は
「勝ち筋を組み立ててやり切った」
ということと
「思うような成果が得られた」
ことを、しばしば区別できなくなることがある。ということです。

もちろん
「成果とかじゃなくて、実践がしたいんです」
というタイプの実践なら、こんな話はどうだっていいことです。

そうじゃなくて、自分で「勝ち筋」と思っている以上、何らかの「勝ち」「負け」があるということです。
つまり、何らかの成果と、それに対する、自己または他者からの評価が。
より正確に言うならば、勝利条件敗北条件が。

勝利条件を満たせず、何なら敗北条件を満たしている時に、
「勝ち筋を組み立ててやり切った」
ことに甘んじている
場合、実際にはそれは失敗している訳です。
にもかかわらず、自分の中では成功したことになっている。
これは、現実が見えているか否かということを考えれば、もちろん、まずい。
こんなことを繰り返していれば、いつか見え見えの大失敗に頭から突っ込んで、破滅してしまうでしょう。
冗談では済まされません。特に、他人を巻き込む可能性があるなら。

3.どうすれば勝ちで、どうすれば負けか、はっきりさせておく

たいてい最初のうちは、勝利条件と敗北条件は、ざっくりとした感覚としてあり、言語化できないものです。
しかし、ざっくりと
「だいたいこうだったらヨシ」
「だいたいこうなったらアカン」

という程度のことは、メモに書き付けておいた方がよいでしょう。

ある程度やっていくうちに、勝利条件にも
「こうなったらパーフェクト」
「こうなったら十分と思える」
「こうなったらまあギリギリ許す」
というレベルが出て来ると思います。
また、細かい条件も明らかになってくるでしょう。
なので、もう少し勝利条件に上中下を設けたり、具体性を持たせたりすることも可能です。
同じことは敗北条件でも起こり、
「こうなったら損切り撤退ポイント」
「こうなるのは困る」
「これだけは絶対に嫌」
というレベルが出て来るはずです。これもやっておきましょう。

***

なお、勝利条件で要請される事柄と、敗北条件で要請される事柄が、別の種類であることはよくあります。
プロジェクトで言えば、勝利条件としての
「事業計画の成功」
は目の前だが、敗北条件としての
「買い手や協力各方面との取引の消滅」

「資金繰りの破綻」

「全体的に見た場合の赤字」
が先に来そうなら、たいていの場合はかなり手前に撤退しなければならないはずです。
そしてもちろん、「事業計画の成功」と、「買い手や協力各方面との取引の消滅」や「資金繰りの破綻」や「全体的に見た場合の赤字」は、全く別のカテゴリーの話です。

***

「何を優先すべきか」
とか、
「これが達成されても、あれが達成されなかったら、達成された成果は無価値になる。あれを達成するまで粘って継続するか、それとも損切りするか」
とか、
「今回は失敗だが、得られた小さな成果には再利用性があったため、撤退しないで再挑戦することにするか、それとも再挑戦しても損が大きいので撤退するか」
とかは、ニーズ状況によっていろいろ違ってくるでしょう。これといった正解はありません。

というか、状況についてはともかく、そもそもニーズはふつう自分の中のものなので、自分以外は正解を知らないし、ニーズ面での正解について一番詳しいのは自分であるはずです。
自分が自分のニーズに詳しくないのが一番良くない。
そこが混乱していたら、勝利条件も敗北条件も分からないまま、ひたすらやって、リソースを消耗して、いずれ何もできなくなって、どうしようもなく詰んで、滅ぶだけです。
それを避けるためにも、
「こうなりたい」
「こうはなりたくない」
というニーズは、明確化する必要がある訳です。

***

上記の一連の話においては、できれば量的に計測できる指標があるといいですし、その指標を出すためには、四則演算程度の算数をせねばならなくなるでしょう。
変数のある数式をざっくり書いてみて、変数に実際の数値を入れて、物理または電子で電卓を叩きましょう。
組み立てるのはめんどっちい
ですが、一度やると後で似たようなことをする時にかなり楽になります。
自宅で家計や、職場で会計やってる人だと、気が付くとマイ数式みたいなものを数個くらい作って、後はそこに毎回ペチペチと数値を入れて電卓を叩くことになるでしょう。
適性と気合があれば、Excelで関数を使っても良いでしょう。超絶楽になります。

4.実は今、自分が勝っているのか負けているのか、可視化すると後々安全になる

自分の感覚では勝っていても、勝利条件と敗北条件に照らし合わせると、実は損切り撤退ポイントに抵触している。ということは多々あることです。
そういう時は、素面の時に考えた勝利条件と敗北条件を信じましょう。テキパキ撤退しましょう。
そういうことのために、勝利条件と敗北条件の明確化には、大きな意味があります。

これをすると、長期的には、ダメージを少なくして、リソースを温存して、成果を蓄積して、やれることが増え、よりでかい成果のための潤沢な種火にできる。

かつては食うに困っていたし、まともに見える服も買えなかったし、職も見つからなかったし、車両も買えなかったし、建物も借りられなかったし、デート代も払えなかったし、指輪も買えなかったし、結婚式も上げられなかったし、子供も到底育てられる状況ではなかった。
が、今は出来ている。
となると、かなり生活は安全になるでしょう。

5.勝利条件が「とにかくこれをやる。それ以外受け入れられない」である場合、後々対策が要る

一個、気を付けねばならないことがあります。
上の話は、最初に言った通り、
「成果とかじゃなくて、実践がしたいんです」
という話の場合、ほとんどまるで役に立ちません。
やると勝利で、やらないと敗北なんだから、極めてシンプルです。
ここに、細々とした勝利条件と敗北条件の設定など、必要ないでしょう。
終わらせるだけ終わらせればいいのです。スッキリ。

で、それはいいのですが、
「やりたいことが減らない。減ると退屈で不安になるので、新たに増やしてしまう。しかもそれは人生においてそれほど重要な案件ではない」
という場合、注意が必要です。

何かというと、コストの話です。
上の状況下で、やりたいことを全部やっていたら、お金がいくらあっても足りないでしょう。
俺も
「あれが食べたい、これが食べたい」
とかなって、そのうち支出が無視できなくなったので、飲食店の近くを横切るときは目を反らすようになり、WEBサービスで飲食店のサイトを検索しないようになって、今に至る訳です。(みっともない? そうですね。自分でもそう思います)

そうなのです。
「これはきりがないし、長期的に見れば無駄だ」
と思える案件
については、それらに関する情報を断つことが重要になって来ます。
勝利とか敗北とかはどうでもいい。無駄な戦いをやめるんだ。

退屈で不安?
その退屈を、つまりは余裕を、人生においてより重要度の高い案件のためのリソースとしてとっておき、いつかまとまった余裕ができたら、重要度の高い案件のために回すんだ。
多少暇を持て余す
のは、むしろ後日頑張るためには、いい兆候だと思っていい。
それは、立派な充電期間です。
「やることがないと、むずむずする。本当にこれでいいのか」
不安になる必要なんかない。

その代わり、次にやっておくと良さそうな、いつかやらなならんでかい案件の、勝利条件敗北条件を、暇なうちに用意しておきましょう。
なんか気力が有り余って、
「やってもいいかな」
という気の迷いがやってきた
ら、それらはでかい案件の攻略にかなり役立つでしょう。

6.まとめ

  • 自分の考える「勝ち筋」を、たまには疑ってみる

  • 成果が出るから勝ち負けがはっきりしている場合、頭の中の曖昧な勝利条件と敗北条件をはっきりさせる

  • 勝利条件と敗北条件は別の基準であることがあり、どちらを優先すべきかはニーズと状況を見て判断する

  • ニーズについては、自分以外誰も詳しくないので、せめて自分は自分のニーズをちゃんと理解できているようにする

  • 「勝っている」と思っても、基準からしたら負けているのなら、損切りする

  • 「やれば勝利、やらなければ敗北」である、人生において重要でない案件がある場合、その手の案件を終わらせるだけ終わらせたらもう近寄らない

  • どうでもいいことについて手持無沙汰になり暇を持て余しても不安になる必要はない。それは立派な充電期間である

  • 充電期間に、次あたりにやっておくと良さそうな、人生において重要な案件の、勝利条件と敗北条件を整えておく

以上です。
それでは、皆様、グッドラック!
私も頑張ります。

(終)


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