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【記事一覧】有機農業を科学する~すべてはいのち育む土から始まった

有機農業の研究機関、有機農業を推進するNPOで働き、約50年、多くの研究者、自治体職員、実施農家などにお会いしてきました。
現在も、菜園にて畑の生きものとともに野菜づくりに勤しんでいます。

noteでは、今までに有機農業について知りえたこと、経験したことを、より分かりやすく発信し、これから有機農業に関与される方々の参考にしていただきたいと考えています。

有機農業実施者の栽培管理をヒントに、人と自然の関わり方を工夫し自然の力を活用する栽培管理を科学的知見をもとに紹介していきます。
有機農業が地域で広がるには、安定した消費が先行することが欠かせません。自治体による学校給食などの公共調達による地域ぐるみで推進している事例も紹介します。

なお、複数の区分けに属する記事をマガジンとして紹介ししていますので、ぜひ、ご活用ください。


マガジン集

関連するテーマのマガジンを集めて紹介します。

  1. 農地の生きもののはたらきを明らかにする

  2. 農地の生きものを育む技術とは?

有機農業と自然観

  1. 「一木一草の心」とは?

有機農業を支える生きもののはたらきとは

農地に棲息している多種多様な生きものはたらきをさまざまな視点から紹介します。

農地を生態系として捉える

  1. 農業に欠かせない生態系と土壌生物を理解しよう

  2. 農地を生態系として捉える

  3. 土が育つしくみ~生物が土をつくった

  4. 自然のめぐみを活用した循環型農業を次世代に!

  5. 作物が育つ養分を生み出すシステムを農地にもたらす栽培管理

土壌動物のはたらき

  1. 土をつくる生きもの~土壌動物~

  2. 豊かな土壌動物群集をもつ畑地にそなわる機能(1)有機物の分解機能

  3. 豊かな土壌動物群集をもつ畑地にそなわる機能(2)生物による密度調節機能

  4. 豊かな土壌動物群集をもつ畑地にそなわる機能(3)資源の有効利用-窒素を例に-

  5. 有機物の分解に関与するヤスデのはたらき

  6. 有機物の分解は微生物と動物の相互作用 ワラジムシの摂食活動

  7. 大地のプランクトン―トビムシ

  8. 畑に共生関係を再現 トビムシ-作物-病原性微生物の関係を例に

  9. 畑地の管理を反映するササラダニ群集

  10. 畑地の管理を反映するヒメミミズ群集

〇ミミズ

  1. 大地の鍬-ミミズのはたらき(1)

  2. 大地の鍬-ミミズのはたらき(2)

  3. 干ばつ時に、畑のミミズはどうしてる?

  4. 食性の異なるミミズ類が、畑地にいることの意味とは?

安定同位体比を用いて農地の食物網を探る

  1. 安定同位体比を用いて農地生態系の食物網を探る

  2. 土壌団粒と窒素安定同位体比との関係~生きものを育む土壌とは?

  3. 土から生まれ、土に還る―安定同位体比から見える動植物の連鎖

  4. 有機農業畑の捕食者・クモ類の餌資源とは?

  5. 栽培作物とクモ類の餌資源との関係性は?

  6. 施肥窒素は作物や動物の体にどのように反映される?

採用すべき技術の判断基準

  1. 社会的背景によって異なる技術の判断基準(1/2)

  2. 社会的背景によって異なる技術の判断基準(2/2)

  3. 有機農家の栽培事例に学び、地域環境に適合した持続可能な農業を

土の生きものを育む栽培管理

人と自然の関わり方を工夫し、自然の力を活用する栽培管理を紹介します。

不耕起栽培

  1. 不耕起・有機農業畑の有機物集積層にみられる複雑な食物網のひみつ

  2. 畑地の土壌生物群集を豊かにする有機農業・不耕起栽培のメカニズム

  3. 不耕起栽培の長所を生かし、土の機能を引き出す

  4. 不耕起栽培畑では、集中豪雨時に土壌の排水性を保持

  5. 不耕起栽培から見えてくる「土の力」

  6. 耕し方を工夫しよう

  7. ササラダニ類による畑地の管理診断

緑肥作物、雑草との付き合い方

  1. 雑草にも役割がある~緑肥作物の間作を例に

  2. 緑肥間作の導入は、主作物より優先させないように注意しよう

  3. 地温の変化を和らげる緑肥間作の効果

  4. 緑肥間作の導入は、土壌動物相を豊かにする

農産物の品質

  1. 作物の品質向上のメカニズム

  2. 農産物の品質は、どのように決定されるのか?

  3. 栽培方法の違いが作物の細胞形態にも影響する

  4. 農産物の窒素安定同位体比はどのように決定されるのか

  5. 有機JAS認定産米を窒素安定同位体比と食味品質で判定する

  6. 止め葉の窒素安定同位体比で、有機JAS産米を収穫前に判別する

自家採種のすすめ

有機農業への転換

  1. 害虫を害にならない存在(ただの虫)にする栽培

  2. 慣行農業から有機農業への転換はどのようにすべきか?

  3. 有機農業への転換時期を見極める、指標とは?

  4. 有機農業技術の確定事例 ナス育苗時のアブラムシ対策

  5. 茶園にハダニが発生! その時、有機農家の選択は

  6. 農地に適した栽培しやすいタネができる自家採種に挑戦しよう

  7. 有機栽培で選抜した種子と市販種子との比較栽培結果は?

  8. 近代化農業(慣行農業)の忘れもの

  9. 農薬万能主義の破綻。消費者にできることは

  10. 有機農業への転換と減農薬という考え方

  11. 転換参入者の参入実態 有機農業への参入のきっかけと経営状況(3/5)

  12. 転換参入者の経営、販売先実態 有機農業への参入のきっかけと経営状況(4/5)

有機農業での新規就農

  1. 農業に向く人って、どんな人?

  2. 営農スタイルと収入目標の明確化と逆算力

  3. 新規就農者が1年目にすべきこと

  4. 新規参入者の就農実態 有機農業への参入のきっかけと経営状況(1/5)

  5. 新規参入者の経営、販売先実態 有機農業への参入のきっかけと経営状況(2/5)

  6. 有機農業研修受入先の研修実態 有機農業への参入のきっかけと経営状況(5/5)

  7. 農村が維持できてこそ、持続可能な農業が可能に

地域に根ざした食と農を大切にしよう

心理的・物理的に広がりすぎた私たちの食と農。
地球環境への負荷を減らし、私たちの身体によい農産物とはどのような「食べもの」なのか。食と農の距離を縮め地域に根ざした農産物を選択することから始めてはいかがでしょう。

  1. 土の健康、作物の健康、そして人の健康

  2. 持続可能な農業、社会は、私たちの暮らしの見直しから

  3. 有機(オーガニック)食品への消費者ニーズは?

  4. 「令和の米騒動」真の原因は、農家と消費者の心理的、物理的距離の拡大

  5. 有機農産物の「参加型認証」を考える

  6. 「生きもの調査」は田畑の状態を診断する農業技術

  7. 三澤勝衛の「風土産業」に学ぶ農産物とその加工品

有機農家を訪ねて

有機農業実施者に接し、学んだことを紹介します。
これから有機農業を始める方には、栽培管理を参考にしていただければと思います。

水稲

  1. 自然の複雑さをそのまま受け入れることを学んだ福岡正信さん

野菜、畑作

  1. 消費者、地場産業との提携や新規就農者の育成に尽力された金子美登さん

  2. 「自然に聴く」姿勢で栽培を工夫された和田博之さん

  3. 農薬禍を自分の身体で確認した梁瀬義亮さん

  4. 有機トマトを栽培し、新規就農者を育成する澤村輝彦さん

  5. 傾斜地に適した「耕さない農業」を実践する松澤政満さん

  6. 自然のしくみを栽培に活かす農業を実践 林 重孝さん

果樹

  1. 「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則さん

  2. 有機柑橘を主幹別隔年交互結実方式で栽培する菊池正晴さん

酪農

  1. 日本で初めて「オーガニック牛乳」を生産した酪農家グループーー北海道津別町

地域ぐるみで有機農業に取り組む

地域ぐるみで有機農業に取り組んでいる事例を紹介します。
これから有機農業に取り組もうとしている自治体の参考にしていただければと思います。

有機農業推進の課題

  1. 自治体が有機農業に取り組むための7か条

  2. 農家が安心して有機農業に取り組めるために

  3. 有機農業に農業共済は適用されるのか?

中部地方以北

  1. 「世界に自慢できる学校給食」に 福島県喜多方市

  2. 市主導で有機農業を推進 千葉県いすみ市

  3. 「子どもたちに最高の給食を届けたい」茨城県常陸大宮市の取り組み

  4. 組織的に新規就農者を育成ーーJAやさと有機栽培部会

近畿地方以西

  1. コウノトリが認めた「野生復帰」の取り組み――兵庫県豊岡市

  2. 山村の豊かさを活用する農業、食、暮らしを求めて 島根県吉賀町(旧柿木村)

  3. 「有機の里づくり」に取り組む 大分県臼杵市

  4. 有機部会にJA、市、県が支援――鹿児島県姶良市

関連情報(つぶやき)

食と農、有機農業、気候変動などの関連情報を紹介します。

書籍の紹介

  1. クマにあったらどうするか ――アイヌ民族最後の狩人 姉崎 等

  2. 『食べものから学ぶ現代社会 私たちを動かす資本主義のカラクリ』(平賀 緑)

  3. 『日本の農業を考える』大野和興、岩波書店、2004年

  4. 『ここまでわかった! 縄文人の植物利用』(工藤雄一郎、国立歴史民俗博物館 編 新泉社 2024)

  5. 『生態学読本』(沼田 真 編/著 東洋経済新報社 1982)

  6. 『アグロエコロジーへの転換と自治体─生態系と調和した持続可能な農と食の可能性』関根 佳恵、関 耕平 (編著) 自治体研究社(2024)

  7. 『人類はどこで間違えたのか 土とヒトの生命誌』(中村桂子 2024年 中央公論新社)

  8. 『みんなの有機農業技術大事典』(「共通技術編」「作物別編」のセット 農文協 3月に発行予定)

文献の紹介

  1. 「令和5年度 食育白書」(農林水産省)

  2. 『住民と自治』 2024年7月号

  3. 「気候変動影響評価報告書」(環境省 2020)に基づく気候変動の将来予想

  4. 2024年の世界の平均気温は2023年を上回り最も高い値(気象庁)

  5. プラネタリーバウンダリー(地球の安全限界)2023年版

  6. 食虫コウモリの経済評価(鷲谷いづみ)信濃毎日新聞(2024.10.5)

  7. 「生物多様性の力で虫害を防ぐ~混ぜて植えるべき植物の遺伝子型ペアをゲノム情報から予測~」(清水健太郎ら 2024)

  8. 「開発のための農業科学技術の国際的評価(IAASTD)」(2008)

  9. 「重要生態系監視地域モニタリング推進事業(里地調査)」(2005~2022)

  10. 有機は農を知るきっかけ(小谷あゆみ)日本農業新聞(2024年12月24日)

オーガニック給食関連情報

  1. 学校給食を無償化している自治体

  2. 「オーガニック給食」の導入について

  3. 第2回全国オーガニック給食フォーラム(茨城県常陸大宮市)

  4. 有機農業拡大の“カギ"はオーガニック給食の普及

  5. 学校給食費の無償化を実施する実態調査(文部科学省)

  6. オーガニック給食を行なう自治体が増加(農文協の主張、2024年5月)

プラスチックによる環境汚染関連情報

  1. プラスチカルチャー(鷲谷いづみ)信濃毎日新聞(2024.10.25)

  2. マイクロプラスチックによる海洋生物への影響

  3. 長野県内の主要河川にマイクロプラスチック(信濃毎日新聞 2025.1.5)

  4. 世界が脱プラスチックへの足並みをそろえるのは難しい。

  5. プラスチックの便利さだけを見て、負の側面から目を背けていた。(日本経済新聞、2025年1月9日)

その他、関連情報

  1. オーガニックビレッジに取り組む市町村の支援(農林水産省)

  2. 地域ぐるみで環境負荷低減に取り組むモデル地区(農林水産省)

  3. 泉大津市と旭川市が合同で「オーガニックビレッジ宣言」

  4. 「みどりの食料システム戦略」を策定して3年。有機農業の現状は

  5. 持続可能な社会の実現のために(消費者庁)

  6. 食料・農業・農村の「憲法」たる基本法とは・・・

  7. 「持続可能な開発目標」の達成が難しい

  8. 有機農業の拡大には、慣行農業者の理解と協力が欠かせない

  9. 有機農産物の参加型認証システム「PGS」

  10. 「地産地消・食のまちづくりに関する条例」紹介サイト

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