マガジンのカバー画像

引用の効用

84
普段の生活の中から気になったことを、手持ちの本からを引用しながら思考していきます
運営しているクリエイター

記事一覧

普遍的な「家族」の物語~映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』~

映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(呉美保監督、2024年。以下、本作)の主人公は、確かに「…

アンマchan
2か月前
4

KOKAMI@network Vol.20 舞台『朝日のような夕日をつれて2024』を観て思った取り留めの…

KOKAMI@network Vol.20 舞台『朝日のような夕日をつれて2024』(鴻上尚史作・演出。以下、今作…

アンマchan
3か月前
15

腰まで泥まみれ~「関西フォークの旗手」高石ともや氏~

2024年8月20日付朝日新聞朝刊の小さな死亡記事に目を疑った。 驚いたのは、出身が関西ではな…

アンマchan
3か月前
6

映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』を観て思った取り留めもないこと…(感想…

先日、2006年に木村カエラ氏をボーカルに迎え再々結成した「サディスティック・ミカ・バンド(S…

アンマchan
5か月前
11

二度と彼のような犠牲者を出さないために~映画『ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ』…

1972年11月8日。早稲田大学2年生の川口大三郎君が友人と談笑しながら大学構内を歩いていたとこ…

アンマchan
6か月前
3

2024年5月1日~5月5日 酒。読書。観劇。それだけ。GW後半戦

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
6か月前
2

渡辺芳子著『夢さがし アルフィー・高見沢俊彦物語』&『THE ALFEE SUMMER EVENTS 1982-1991 永遠の夏』『THE ALFEE STAGE PROJECT』~

40年以上も前の出来事だ。 2024年現在、多くの人にとってアルフィー(現・THE ALFEE)は、物心ついた時から「スターバンド」だっただろうし、毎年夏に大きなイベントライブをやっていたり、クリスマスにも毎年必ず武道館ライブを行うことを知っている人も多いだろう。 しかし、1983年8月24日、彼らにとって初の武道館ライブは「異例」ー「事件」と云っても過言ではないほどーだった。 何故なら、当時の彼らには「ヒット曲がなかった」からだ(後述するが、同年発売の「メリーアン」は武道館

鎮魂の物語~舞台『最高の家出』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

舞台『最高の家出』(三浦直之作・演出。以下、本作)を観た。 53歳の私は主演の高城れにが所属…

アンマchan
9か月前
4

何かを見れば(聞けば)何かを思い出す~映画『すべての夜を思いだす』を観て思った取り…

数年前まで、多摩センターにある会社に勤めていた。 サンリオピューロランドもある多摩センタ…

アンマchan
8か月前
3

サンタクロースはいるのです。ルドルフの赤い鼻を追いかけよう。(2023年版)

サンタはいるの?もちろん! サンタはいる。ちゃんと新聞にそう書いてある。 ニューヨークのサ…

アンマchan
11か月前
4

2023年11月23日~11月25日 酒。読書。観劇。それだけ~広島・今治・横浜~

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
1年前
2

舞台『アカシアの雨が降る時』(2023年再演版)を観て思った取り留めのないこと…(感想…

2021年に初演された舞台『アカシアの雨が降る時』(鴻上尚史作・演出)が、2023年に再演された(…

アンマchan
1年前
3

映画『アンダーカレント』を観て思った取り留めもないこと…(感想に非ず)

映画『アンダーカレント』(豊田徹也原作、今泉力哉監督、2023年。以下、本作)は感想が書きづら…

アンマchan
1年前
3

現代版・民話の伝承~映画『緑のざわめき』~

映画『緑のざわめき』(夏都愛未監督、2023年。以下、本作)を観ながら、現代を舞台にした地方共同体の土着的神話を、メジャーな俳優を使って、しかも、ミニシアター系の映画というのは、今どき珍しいのではないか、とぼんやり考えていた。 もちろんこれは、そんなに多くの映画を観ておらず、また、文学にも疎い私の個人的感想であるので、間違っているのかもしれないが…… 公式サイトによる「あらすじ」はこうだ。 冒頭に書いたとおり、本作は現代を舞台にし、松井玲奈、岡崎紗絵といったメジャーな若手