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まひるのねいろ
2023年7月7日 22:20
お別れの日に朝、父の様子を見に行く。まくらに掛けているタオルに、少し血のような物が付いている。「なんか、まくらに付いてるよ?」と母に聞くと、「首のところの傷かなぁ?後で看護の人が来たら診てもらう。」と母。ふと横を見ると、補聴器が置いてある。「入れなくていいの?」と母に聞く。「だって、ずっと寝てるから。入れてもねぇ。」と言う。「刺激があった方が、起きるかもしれないよ。入れとくね。」と
2023年7月1日 05:24
父がいなくなったら父はずっと眠っている。大きな声で呼ぶと少し目を開けるが、焦点が合っていない。お通じは毎日あるので、オムツ交換するが無反応。以前のように「寒いっ!」と怒ってくれず寂しい。ある日、訪問看護がバイタルを測定すると、血圧が低い。血中酸素は測れないとの事で、往診医に連絡をした。すぐに往診医が来て状態を診てくれた。「あと、1〜2週間です。」との診断で薬の点滴も、体内に溜まる
2023年6月17日 23:28
ターミナルケア父はとうとう食事もとらなくなり、水分もスプーンで少しづつ、口に入れる程度になった。ドクターの集中治療も、あまり効果が出なかった。もしかしたら、何処かに癌があるせいかもしれないが、検査や治療をする体力はもうないとの事だった。今後の治療について、点滴に入れる薬の変更をして、少しでも腎臓機能の回復を促す事。引き続き点滴での、水分栄養補給。家族の選択が求められた。ドクターは母
2023年6月9日 23:01
介護の限界「腎臓の機能が低下しています。」往診医よりお話があった。週に2回の入浴と、リハビリは中止になった。体力を消耗してしまうそうだ。父は、よく来てくれるナースさんに、「もうダメかなぁ。」と弱音を言い出した。母にも「長い間悪いなぁ。ありがとう。」と言ったそうだ。母がとうとう言った。「もう限界。」訪問のナースに、「もう入院ぐらいのレベル」と言われたそうだ。みんな母の負担を
2023年5月24日 23:29
発熱の後遺症今後の方向性が決まって、車イスに乗れるよう、立ち上がる練習を始めることになった父。その直後、久しぶりに発熱した。幸い熱はすぐに下がったが、1日中眠っている。食事を摂らないと体が弱ってしまうので、無理矢理起こして食べさせる。三口くらいで、「もう、いいよ。マズイっ!」と怒る。かわいかった父が、ぶりぶりと怒ってばかりいる。全然かわいくない。特に母には甘えて、全然食べない。私が
2023年5月15日 23:30
ケア会議にて父は毎日ベッドで過ごしている。テレビで野球や相撲を見る他は、退屈そうにしている。そんな中、父の介護スタッフの方達より意見を頂いた、ケア会議が行われた。今後の方向性を決める会議だ。それぞれの思いを出し合う。父→歩ける様になりたい。施設に行きたい訳ではないが、皆に迷惑かけたくないので、何でも挑戦したい。母→歩ける様になって欲しいが、無理なら環境を変えてあげたい。時々ショ
2023年4月29日 19:52
寝たきりの父に出来ること父の状態は安定している。バルーンはついているし、体のむくみもある。多少のせん妄はあるけど、介護スタッフの方や往診医のおかげで、落ち着いて暮している。こうなると、父は毎日退屈そうだ。もともと趣味が、仕事と畑を作ること。どちらも寝たきりでは難しい。何かベッドでも出来る事はないかと探す。友だちがデイサービスで働いているので、計算ドリルや点つなぎ、クロスワードなどのプリン
2023年4月13日 22:10
施設という選択「お父さん、このままでいいのかな?」母が言った。「施設とかに入った方がいいのかも。」あぁとうとう来たか、この話。母はやっぱり父の介護が負担なんだ。私は父がかわいいので、自宅介護したいのだ。と、言っても正社員の私はほとんど仕事で、母に任せきりだ。でも、父を施設に入れたくない、施設で働いていた私なりの思いがある。でも、母の施設に入れる理由は、意外なものだった。このま
2023年4月5日 21:22
母の転倒でわかったこと日曜日のある日。自分の用事をすませて昼過ぎに、父の様子を見に行く。すると母が、「今日午前中に、畑で転んじゃって、右手を打ったみたい。」と腕をさすっている。「えっ!大丈夫?痛いの?」と私。「痛いけど、腕も指も動くから骨は大丈夫だし、そのうち治るよ。」と母。本当かな?なんだか怪しい。母はとても我慢強い。弱音を吐くのが大嫌いなのだ。「病院行かなくて大丈夫?」「
2023年4月1日 21:07
再びせん妄へしばらく落ち着いていた様子の父だか、再びせん妄が現れた。近所に、自分の経営するお店を建設中という妄想と、外を歩いたという妄想。母は、なんとか現実に戻そうと父の妄想を詰める。「お店どこ?そんな土地あるの?」母。「近所の人に借りたの。」と父。「へぇ〜なんて名前の人?」母。「忘れちゃった。」困る父。「土地借りてる人の名前もわからないなんて、おかしいでしょっ!」母キレる。
2023年3月26日 00:44
訪問医がやって来た父が要支援1から介護4になって、大きく変わったことの1つ。訪問医の登場だ。父は内科と泌尿器科を総合病院。パーキンソン症候群を個人病院。ペースメーカーを循環器専門病院。住居が2階の我が家からの通院は、歩行困難な父には、苦行であり危険な時もあった。しかも、待ち時間も長くて何時間も座っていると、かなりぐったりしてしまう。父はカワイイので、一生懸命歩いていると、見知
2023年3月20日 23:03
せん妄との向き合い方父は今、パン屋さんを経営している…妄想の中で。「パートさんがつまみ食いしてる!注意してこなきゃ。」と、ベッドから降りようとする。父はもう歩けないので、ベッドから降りたら大変だ。「ダメ!お店なんかないでしょ?危ないから降りちゃだめ!」父のベッドは柵がついてるが、足元は1ヶ所開いてる。私はそこに座って父が出ようとするのを邪魔する。「なんで、どいて!イジワルしないでっ
2023年3月16日 22:20
せん妄ってナニ?父は家にいるのに、せん妄を繰り返す。1週間おきくらいのペースで。ネット検索で得た知識では、せん妄は、高齢者が入院などで環境が変わった時によく見られる事や、不安や心配ごとがあると出ることもあるそう。また、3日くらいで症状はおさまるらしい。父のせん妄の特徴①1週間おきくらい。3日くらい続く。②激しい幻覚と幻聴がある。③怒りやすく、顔つきがキツくなる。④ろれつが
2023年3月8日 22:19
せん妄が出た!退院後の父は、また尿路感染で発熱した。抗生物質を入れて入院は免れたが、ベッドから起きられない日が多くなった。すると、父に幻覚や幻聴の症状が出始めた。せん妄だ。自宅にいるのにナゼ?初めは虫がいる!から始まり、そのうちハトが5羽、天井に穴を開けて出入りするという、さすがのカワイイ幻覚を面白がっていた私と母。ところがそのうち、仕事に行かなきゃとか、車のエンジン止め忘れた!