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30年間作り続けてやっと辿り着いた最後のカルボナーラレシピ。

カルボナーラを初めて食べたのは、震災前まで神戸の食いしん坊を唸らせていたベルゲンというお店でした。

ミートソースやナポリタン、たらこスパ、家で食べたどの味とも違う。
とろんとしたクリームは濃厚に舌に絡み付き、かりかりっとした香ばしいお肉は噛めば噛む程脂がほとばしる。

何これ何これ!興奮して、母にこれおうちでも作って!と頼んで、渡されたのは片岡譲シェフのレシピブック。小学校2年生頃のこと。
それから、私は学校から帰ると1ヶ月毎日カルボナーラを練習しました。私が一人で料理を始めたのはこの時です。お手伝いではなく、最初から最後まで食事を作る。ある時は生クリームを使い、玉ねぎを入れたり。でも、いつも満足する事は無く、素人が作ってもこんなものかなあとぼんやりとした達成感。「美味しいよ」と言ってくれる家族が唯一の救いでした。

一人暮らししてからも、何かとカルボナーラ。大好きすぎて飽きる事は無いのですが幼い頃の記憶には敵いません。今はもう無いのにベルゲンの味や風景を思い出しては、やるせなくなり諦めるばかり。

しかし、20代のある時、これで良い!と落ち着きました。私が覚えているベルゲンの味!
それがこのレシピです。
元々ベーコンを作りはじめたのも美味しいカルボナーラを作りたかったから。


ベーコンを作って下さった方はぜひご挑戦を。だって、ね?これだけの材料なんですから。工程も写真も多いけど、このカルボナーラは、あなたの自慢のレパートリーになるはずです。  
        

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材料(1人分)
・全卵1こ (卵は常温に戻しておきましょう)
・卵黄1こ
・パルメザンチーズすりおろし
 ※ペコリーノ、グラナバターノ、見つからなければ粉チーズでも 
15g(あっさり)〜20g(しっかりチーズ味/おすすめ)
・ベーコンORパンチェッタ 20〜30g
・パスタ 90g
・黒胡椒、塩、オリーブオイル

※出来れば器も温めておきましょう。



1、全卵、卵黄をボウルに割入れる。
白身を切りながらかき混ぜる。

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2、卵のボウルにチーズをすりおろす。
10gだとあっさり、20gほど入れるとチーズが際立つ。どろっと一体化するまで卵とよく混ぜ合わせる。写真くらいの量と覚えて下さい。どろどろ。ちょうどバッター液やとろろくらい。

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3、ベーコンを好みの小ささに切る。フライパンにオリーブオイルを小さじ1入れ、ベーコンを入れて中火にかける。
このオイルの意味はベーコンから脂を出すため。脂身が多いベーコンであれば、油分過多になるためオイルは無しでも。

ベーコンは放っておき、かりかりになったらひっくり返す。

これはね、かりかりのお肉が出来るかどうかにかかっています。市販ならパンチェッタ、ベーコンなら薄いタイプよりブロックがおすすめです。もし、あれば、ね。無理しないで下さいね。

大鍋にパスタをゆでる。
お湯1lに対して塩小さじ2、大体ちょうど良く飲めるくらいの味の塩水にする。パスタは表記されている茹で時間より2分短くタイマーをセット。

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4、フライパンにパスタの茹で汁を入れて、熱しながら油と茹で汁を混ぜ、乳化させる。

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5、フライパンの火を止めて茹で上ったパスタを入れる。再び中火にかけ、パスタと茹で汁を和える。
ベーコンの旨味をパスタに吸わせます。

ここで味見!ちょうど良い塩味にする。塩っぱかったら普通のお水を。味が足りなかったらお塩を。

ある程度和えることが出来たら、下の写真のように、乳化した茹で汁を残しておく。
初めての方は写真の茹で汁より多いくらい方が良いでしょう。この茹で汁は、のちのちのカルボナーラソースを固まりにくくし、とろんとさせる為の水分。
その水分ごと、卵とチーズのソースが入ったボウルにパスタを入れる。

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6、ボウルでソースとパスタをよくよく絡める。全体が完全に絡まったら、ソースごとフライパンに戻して広げる。

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7、器をキッチン、フライパンのそばにスタンバイ!ゴムベラもご用意を。

フライパンを弱〜中火で火にかける。フライパンの底や側面のソースをこそげながら勢いよくグルグルとかき混ぜ、好みの粘度にしていく。
固まりそうになったら、フライパンを浮かして更に急いでかき混ぜ、火を止めると良い。
怖かったら、弱火で何回も火を付けたり消したりしてね。

端が固まってきても、すぐ火を消しコンロから離し、全体をかき混ぜるとリカバリー出来る。慣れるまでは火にかけっぱなしにせず、こまめに火をつけたり消したり、とにかくぐるぐると全体を混ぜていく。
好みの粘度になったら、ゴムベラも使いソースも余すことなくすぐに器へ!

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8、器に盛りつけたら、黒胡椒をがりがりと。チーズが固まってくるのですぐに食べて下さい!

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写真も工程も多いけど、怖がらないで大丈夫。
大切なのは、パスタの茹で汁を乳化させて先にパスタに絡める。そして、水分を残しておく
ソースを好みの粘度にする時に、固まりそうになったら、すぐ火から離し、ぐるぐる混ぜる事
お皿やフォークを全て用意して、すぐに食べる事
余裕があれば、温野菜を添えればなお良いです。
パスタに和えないで、添えるだけ。アスパラや菜の花、水気を絞らずよく切って味付けせずにね。

卵とチーズがとろとろ、お肉はかりかりじゅわり、弾けて舌をびりびりさせて我に帰る黒胡椒。あなたが作った美味しいパスタですよ。

ぜひこのカルボナーラをあなたに作ってほしい。私の料理の原点です。

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今井真実 MAMI IMAI /料理家
「新しいお月見」というプロジェクトに参加しています。 https://note.com/new_otsukimi みんながボランティアで運営しておりますので、もし良かったら上記アカウントにサポートいただければ、ありがたいです。 どうぞよろしくお願いいたします。

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