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よろしく愛して

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実りがない人生ならば、 長期展望にどんな意味があるのでしょうか。 どんな時でも、しょうがない人でありたい、 そんなしょうがない人を愛していたい。
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#恋愛

バイアグラは美しい物語を綴れるか

つい先日、大学時代の先輩からバイアグラをもらった。錠剤タイプではなく、舌の上に乗せるシートタイプのものである。他にどんなタイプのものがあるのかは知らない。少なくとも僕が飲んだことがあるのは、錠剤タイプのバイアグラだけだ。

以前、僕は一粒だけバイアグラを飲んだことがある。もう少しで5年前になるが、それも同じ彼に貰ったものだ。「ちゃんとした医者からちゃんとした手段で処方されたあの錠剤タイプは、当時3

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自分勝手な運命論

僕、結構運命の人とか信じちゃってるんですよね。

運命って引力だと思う。ピンときて引っ張られて、なんかよくわからないけれどその人のことを考えるとモヤモヤする。顔が良いとか性格が良いとか食事をするときにスマホをいじらないとか、そういった様々な要素が積み重なった結果なんだろうけど、僕は運命を信じています。

そうじゃないと説明がつかないことって色々あるじゃないですか。

好きな子とLINEでやりとりし

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その愛は正義か

その愛は正義か

愛とは何だろう、と、よく考える。

愛のようで愛ではない何か、についても、よく考える。

本当は愛だとか恋だとか仰々しく語るのは好きではない。口にするのだって恥ずかしいのだけれど、このnoteでは頬を赤らめながら結構「愛」について書いていたりする。一方で、愛なんてそんな大それたものではないとも思う。

どうやら、日本に「愛」なんて言葉が流行ったのも、元はと言えば英語の「Love」に相当するものとし

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君の髪は、少しにおう。

君の髪は、少しにおう。

君の髪を撫でる。普段なら触らせてくれない、君の髪だ。

張りのない表情、少し口を開けて寝息を立てる君はとても無防備で、ひいき目にみても正直なところ、可愛いとも綺麗とも言えない。いつもの方がよっぽど良い。

ただ、とても愛おしいとは思う。だから、触れたくなる。出来るだけ控えめに、君を起こしてしまわないように。

君の髪は少しにおう。それはシャンプーの良い香りとか、湿った不快な臭いとか、そういうことで

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夏の魔物が消えてくれない

夏の魔物が消えてくれない

古いアパートのベランダ。

生ぬるい風にたなびくシーツ。

魚もいないどぶ川。

6畳のワンルームの窓を開けると、初夏の香りが舞い込み、僕をどこか遠いところに漂っているかのような気持ちにさせる。

夏には、不思議な力がある。

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五月下旬になると気温も上がり、夏らしい気候が訪れる一方で、梅雨の気配を同時に迎える。世間が5月病だなんて無理やり自分の無気力さを解釈し始める時期だ。

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温かくて、優しくて、ちゃんと痛くなる

温かくて、優しくて、ちゃんと痛くなる

もしかしたら。

彼女となら、ずっと一緒に居たいと思えるかもしれない。その日を迎えるまで、そんなことをぼーっと考えていた。

友人の紹介で知り合った女性との食事だった。年は同じで、とてもかわいらしく、興味を持った国には一人で飛び立ってしまうような主体性の持ち主であり、一緒にいるのが憚れるくらい、魅力的なひとだった。
 
なぜだか、彼女の優しそうな笑顔にある種の冷たさを感じた。確かに優しいひとだった

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