自分勝手な運命論

僕、結構運命の人とか信じちゃってるんですよね。

運命って引力だと思う。ピンときて引っ張られて、なんかよくわからないけれどその人のことを考えるとモヤモヤする。顔が良いとか性格が良いとか食事をするときにスマホをいじらないとか、そういった様々な要素が積み重なった結果なんだろうけど、僕は運命を信じています。

そうじゃないと説明がつかないことって色々あるじゃないですか。

好きな子とLINEでやりとりしていて、良い感触と思えば急に連絡来なくなるしなんだかスタンスも安定しないし肩透かしを何度も食らううちにハッキリしねえなぁと腹が立ってくるしこの子は都合が悪いことには目を背けがちなんじゃないかとか、自分勝手な想像をつい膨らませてしまったりするんですけど要するにこの引力は僕だけにしか作用していないなくて俺だってそんなこたぁ分かりきってるんだわ、それでもやっぱり彼女に会いたいと思うし想いを伝えたいんです、この引力を「運命」と言わずして何を運命と呼べばいいんですかね?僕が惹かれているのは、彼女が顔が良いとか性格が良いとか食事をするときにスマホをいじらないとかそういうことなのかもしれないけれど、でもそんな三拍子が揃った女の子なんて珍しくはないでしょう。いやでも人を好きになるたびに運命だなんだと言っていたら絶対に身が持たないし世界のあらゆる人がその運命のせいで謎の死を遂げていないことからするとひょっとしたらこれは、運命ではないのかもしれない。

得も言われぬほど衝動的にお互いが惹かれ合ってこの人とずっと一緒に居るんだろうなぁと木造のアパートの出窓から夕暮れを眺めて煙草をふかして物思いに耽るそんなキザな時間でさえも完璧な時間だと思える瞬間ってきっとあると思うんですよ。そんな青臭い運命がいつか訪れることを僕は信じていて、それが「お前は彼女いそうでいない」と言われてしまう由縁なのですが僕みたいに0か100かでしか動けない人間が中途半端に誰かを好きになって偶然その人に好かれても未来は見えていてお互いが傷つくだけだから要するに面倒くさい人間という事を分かりきっているから、面倒事は起こさないんですよ。どんな人が好きなのかとかよく訊かれるんですけどよくわからないんですよね。僕は一つを選べない人間だったので将来的に何でもできるよう何でもさせてくれる、まあそこそこ堅実なお仕事をさせて頂くわけですが、自分が好きな「何か一つ」を選んだ強い女性と一緒に暮らしてみたい。例えば小説家でもいいしピアニストでもいいし翻訳者でもいいし教授でもいいし美容師でも職人でも靴屋の店員さんでも良い。

要するに、何でもいいけれど、これは運命だなあと、ふと思いたい。

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井出崎・イン・ザ・スープ
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