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井出崎・イン・ザ・スープ
2019年2月28日 21:52
前回お世話になった美容師さんに髪を切ってもらった。重要な選考を翌日に控えていたために髪型をサッパリしたかった、という理由のほかに、彼女に会えばその選考をうまく乗り切れるのではないか、なんて打算的なことを考えていた。というのも彼女は、僕が知る中で最も強く、そして優しい大人だったからだ。もちろん、腕が確かだったということもあるのだが。美容室に着くと、相変わらずオシャレな女性ばかりの空間だっ
2019年2月16日 15:07
頭がぼんやりしていたので、気晴らしに散歩に出た。大学近くの椿山荘から江戸川橋の方へ向かい、茗荷谷辺りに着くと奇妙な看板が目に留まった。『ワンルームマンション建設反対!~町の環境を守ろう』茗荷谷と言えば高級住宅街である。現代的な洒落た建物ばかりで、中々都内ではみることのない風景の中、例の看板がぽつんと立っていたのだ。僕は、どうして反対なのだろう、と思った。マンションだからいけないのか?そ
2019年2月10日 10:38
もう会えない人ほど会いたい。もう会えないから、会いたい。なんとかすれば会えるのだろうけど、会っても何の話をすればいいのかがわからない。どんな顔して、どんな態度で。徐々に高まる心臓の鼓動を、僕は隠し通す自信が無い。 だからきっと、会えないということにしたいのだろう。~~~ 就活なんてものをもう一度始めてしまった。今回は真面目に自己分析などということをしている。初めは主体性が無く、ドエム
2019年2月5日 22:10
僕だって、ドクター・マーチンが履きたかった。カジュアルかつスマートなデザインの、正直格好いいヤツ。ソールも高く、履けば立ち姿がなかなか様になるヤツ。そんなマーチンが履きたかった。でも、履けない。みんなが履いているからだ。ドクター・マーチンを履いて街を歩けば、人は僕のことを「ドクター・マーチンを履いている人のなかの1人」として認識するだろう。それが堪らなく嫌だった。履きたいものを履けば良