#34 「何とかなる!」と思っていたあの頃~介護申請まで7年の言い訳~
今更お恥ずかしい話だが、私が母の「まだら認知」に気づいてから、「介護申請」に役所を訪ねるまで、なんと約7年の歳月を要している。(アホでしょw)もっと詳細に言えば、介護申請をしたのは、母が施設で亡くなる半年前だった。つまり、ギリギリまで介護申請をしていなかったのだ。
7年も、何をやっていたのかと問われれば、それは、御多聞にもれず、私もまた、フルタイムで仕事を抱えながらの、親の介護への戸惑い、不安、認知症への無知と恐怖、母との確執・・・、色々あった・・・。
今日は、その『言い訳』を並べてみようと思う。
1,「うつ病」と「認知症」の初期症状の類似点が多かったこと。
「まだら認知かな?」と気づいたのは2016年、しかし、この時分は、「うつ病」と「認知症の初期症状」の違いがわからず、それ系の話を母にすると、途端に険悪ムードになるので、「様子見」になっていた。
※「夕暮れ症候群」の発生で、「母は認知症だ。」と確信したのは2018年。
2,「介護サービスは使わない。」「行政の世話にはならない。」という、両親の強い意向があった。
これは、両親が現役世代の頃から、ずっと言っていたこと。両親は、とてつもなく世間体を気にする一方で、隣近所から「施設へ行く。」とか「認知症になった。」という噂が入る度に、それを強く敬遠していた。
(これが後々、深刻な”介護拒否”に繋がっていく。)
3,『認知症』に対する無知無学。
『認知症』を甘く見ていた。(私的にはこれに尽きる。)
当初、『認知症』が、それだけで「死に至る病」とは知らず、「何とかなるっ!!」と、甘く考えていた。(これは本当に悔やんでいる。)
「うつ病」を抱えていたとは言え、いやだからこそ、人一倍、健康意識の高かった母が、「認知症」で、まさか「ここまで壊れるとは・・・。」もう本当に想像以上、噂に聞いていた以上で、正直、呆然としていた状態だった。
どうしていいのかわからず、この時期は、ひたすら、実家にスクランブル発進して対応するのが精一杯だった。
5,『介護拒否』というのが『認知症の周辺症状』だと知らなかった。
両親の意向や、母の気持ちを尊重しようとするばかりに、それが、すでに「認知症の周辺症状」からくる「介護拒否」だとわからなかった。
6,コロナ戦禍に突入する。(2019年末~2022年)
そうこうしているうちに、コロナ禍に突入してしまう。
生活の全てがダウン・・・。
逆に仕事はコロナ禍需要で劇的に忙しくなった。
もう、なんにも出来なかったよね。。。
”新型コロナウィルス”という”目に見えない銃弾”を、
どう避けるか、または、どう家族を守るか・・・
どう逃げながら、生活や仕事を回していくか・・・。
必死だった。
母の事も、父の「老々介護」に任せるしかなかった・・・。
「まん防」や行動制限、高齢者は毎日、どんどん亡くなって行くし、世の中の騒然とした異様な空気は、母の認知症の症状を一気に悪化させた。
2020年、母の認知症中核症状が顕著化し、日に日に荒れていった。
「いよいよ、これはいけない。早く介護認定してもらわないと・・・。」
そう思っても、行政は、それどころではない。
介護サービスも、次々と縮小、通所ディサービスもお休みの所が相次いでいる状況で、とても介護申請など出来る状況ではなかった。
”コロナ禍が落ち着くまで、何とか家族で「介護」して凌ぐしかない。”
それが2020年~22年にかけてだった。
ようやく介護申請に至ったのは、2022年8月だ。
それまで、どこも常時満床で、入居するには数ヶ月~数年待ちだった「特老」や「グループホーム」が、コロナ禍で亡くなった人が相次いだ為、一時的に”空き”が出て来ていた。
母は、そのほんの僅かの空席に、奇跡的に滑り込めた状態だった。
ひたすら混乱し、思い悩みながら、手探りで”介助”していた時期3年、母の「認知症」を受け止めて、何とかしようと奮闘していた時期2年、コロナ禍で介護申請を延期していた時期2年、合計7年という感じか ―――。
結果的には、認知症患者であった母を「ケアマネなし」「介護サービスなし」で、7年、父だけでなく、私も含め「引き籠もり介護」状態に陥っていたわけで。
そりゃ~もう・・・、
2023年2月に母が亡くなってからの私は、完全にバーンアウト・・・。
その”燃えかす”で、なんとか今、父を在宅介護している状態。
ただ現在は、父にも、とても良いケアマネさんが付いてくれて、通所ディも希望の設備が整った施設に通うことができ、多くのスタッフさん達に顔や名前を覚えてもらって、例え私が仕事で居なくても、父の事を”見守ってくれる目”が増え、どうにか落ち着いてやっていられる。
だからこそ、親に体力、気力の衰えを感じた時点で、万一、認知症などに進行する前に、早めの介護認定を受けて、ケアマネさんに付いてもらい、まずは、生活の「見守り」、リハビリの開始など適切なアドバイスをしてもらう事を強くお勧めしたい。
介護には介護のプロの力が絶対に必要だ。
経験者が語るのだから、間違いないw