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書評

7
読んだ本の感想を読みやすくネタバレ無しでざっくり書き記しています。
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2024年10月の記事一覧

〈書評〉シュルレアリスム宣言

〈書評〉シュルレアリスム宣言

「感想」
刊行100周年とどっかのネット記事で見かけて、積読していた本書を手に取る。
ライフワークとしてシュルレアリスムに関して調べていて、いつかは読まなければ、が今に至る。

訳者解説にもあるが、シュルレアリスム宣言自体は、もともと溶ける魚の序文としてあった。

溶ける魚の執筆(編纂)後に、宣言として立ち変わった。

訳者曰く、シュルレアリスムは、「非理性主義あるいは非合理主義ではない。むしろ偏

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〈書評〉成瀬は天下を取りに行く

〈書評〉成瀬は天下を取りに行く

Score(0.1~5):3.7
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thoughts :
一言で言えば「天才というポジショニングからみた凡人の貴重さ」

M-1出場.西武閉店残り30日毎日テレビ出演.マジック.東大オープンキャンパス.かるた部入部で快挙...etc...
圧倒的主人公感を、その人以外の視点から照らして、ラスト、その人本人の視点で語られる。

そのギャップにシビれる憧れるーが、
そのまた逆にはシビれて憧

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〈書評〉若山牧水歌集

〈書評〉若山牧水歌集

Score(0.1~5):3.4
——————
thoughts :
恋の歌、酒の歌、旅の歌、
息子に旅人とつけるくらいだから、きっと旅は氏にとって思い入れの強い事柄なのだろう。

解説の中で、良い短歌とはなにか?
という問いに対し、誰しもの共通項になり得る共感力の高い歌が良い歌、そしてさらに、
そこに深い洞察、示唆、訓示のようなものがあればなお良し、ということが言われていた。
禿同。
個人的には

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〈書評〉みどりいせき

〈書評〉みどりいせき

Score(0.1~5):3.9
——————
thoughts :
フィクションと言い切って仕舞えば、
ブリってる描写も表現の自由に守られて、
でも主人公は知らずかかずったわけで、なんていう倫理的守り。

ジュブナイル、現代版不良遊び。
世のティーンのリアルか言われたら、
嘘と言いたい。
でも一方で、こんな事だってある。
起こりうる。

タコピーの原罪や、チェンソーマン的時代性の切り取り、冷えた

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