マガジンのカバー画像

書籍レビュー

87
書籍レビューをまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

#音楽

書籍レビュー『オーケストラの職人たち』岩城宏之(1998~2001)裏方の仕事を知ると、人生がもっと楽しくなる

書籍レビュー『オーケストラの職人たち』岩城宏之(1998~2001)裏方の仕事を知ると、人生がもっと楽しくなる

【約1900字/5分で読めます】

著者の岩城宏之は
「日本を代表する指揮者」と紹介されるのが苦手だったそうです(笑)

指揮者としてのデビュー(東京藝術大学在学中に NHK交響楽団の副指揮者となった)が'56年です。

その後、世界中を飛び回って、主要なオーケストラで指揮をしたとのことですから、実際には、やはり「日本を代表する指揮者」の一人であるのは間違いありません。

ただ、本人はクラシック音

もっとみる
書籍レビュー『ECMの真実』稲岡邦彌(2001)アーティストとレーベルの意向がバッチリハマる時

書籍レビュー『ECMの真実』稲岡邦彌(2001)アーティストとレーベルの意向がバッチリハマる時


日本唯一の
ECM 解説本かもしれないこのところ音楽レビューの
洋楽紹介では ECM の音源を
連続して取り上げています。

最近、静かな音楽に
惹かれるんですよね。

昔は賑やかな音楽が
好きだったので、
ECM はまったく聴いたことが
ありませんでした。

今の自分の感性に
ものすごくフィットする音楽
という感じがするんです。

若い頃に聴いても、
この魅力は
わからなかったかもしれません

もっとみる
書籍レビュー『LOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50TH ANNIVERSARY』高橋幸宏(2022)50人が語った高橋幸宏

書籍レビュー『LOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50TH ANNIVERSARY』高橋幸宏(2022)50人が語った高橋幸宏

高橋幸宏、音楽活動50周年音楽家・高橋幸宏の
活動50周年を記念して
出版された本です。

著者は「高橋幸宏」
となっていますが、
療養中ということもあり、

この本の中には、
出版当時の高橋幸宏
本人による言葉や文は
掲載されていません。

その代わりに、
本書は高橋幸宏の
関係者による言葉を

「これでもか」
というくらいの
ボリュームで掲載しています。

内容は、インタビュー、
過去の対談を

もっとみる
書籍レビュー『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた』鈴木惣一朗(2015)音響を知ると、より音楽がおもしろい

書籍レビュー『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた』鈴木惣一朗(2015)音響を知ると、より音楽がおもしろい

細野晴臣とは細野晴臣は、’69年にデビューした
ミュージシャンです。

エイプリル・フールの
ベーシストを経て、

’69年、大滝詠一らとともに、
はっぴいえんどを結成し、
日本語のロックの
礎を築きます。

’73年、はっぴいえんど解散後、
キャラメル・ママを結成、
(後のティン・パン・アレー)

このバンドでは、
荒井由実などの
バックバンドとして、
プロデュースも務めました。

バンドでの活

もっとみる
書籍レビュー『TR-808〈ヤオヤ〉を作った神々』田中雄二(2020)電子楽器と駆け抜ける40年

書籍レビュー『TR-808〈ヤオヤ〉を作った神々』田中雄二(2020)電子楽器と駆け抜ける40年

リズムマシンを楽器にした名機現在のようにパソコンが普及するまで、
電子音楽ではシンセサイザー、
サンプラー(外部の音を取り込み加工)、
リズムマシンを使って
作られるのが一般的でした。

本書で取り上げられている
ローランドの「TR-808」
通称「ヤオヤ」は、
’80~’83年に製造されていた
リズムマシンの名機です。

TR-808 以前のリズムマシンでは、
あらかじめセットされた
リズムパタ

もっとみる