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「いっそ堕ちてやろう。」

坂口安吾著・「堕落論」を読んだけど予想以上に素晴らしい内容だった。

人間の変わらない本質と変化する上っ面な世相を、

戦前から戦後を経験した著者が表現する言葉にリアルで力強さを感じた。

この1冊を読んで、

「いっそ堕ちてやろう。」

と決めた。

というか、堕ちることを恐れないと決めた。


俺はよくnoteの投稿で、

・義務教育という「答え合わせ教育」を徹底的に受けてきた日本人は答えがあると洗脳させられている。

・メディアに流れている「良い学校を出て、良い会社に入って、結婚して、子ども作って、マイホーム買って、マイカー買う」みたいなものを「幸せの答え」だと洗脳させられている。

・答えを求める人は、答えっぽいことを言う人に流される。

・つまり、自分の人生なのに、他人の言葉に流されるってことは他人の人生を生きているってことだ。

・つまり、義務教育を受けた日本人は他人の人生を生きている人が多い。

・そうじゃなくて、答えなんてなく正解は自分で創るものなんだから、言葉を感じ、自分の言葉を扱い、自分の人生を生きるんだ。

ということを、所々で書いてきている。自分への戒めとしても。

(わかりやすく箇条書きで書くとこんな感じだ。)

俺みたいな凡人は、本当に気をつけていないと他人の人生を生きてしまうなと感じている。

(他人の人生で良いと思っている人は別にそれでいい。)



そもそもそんな状態の俺みたいな凡人が、何か一つでも結果を出したいと思ったら簡単ではないと思う。

でも、簡単には結果がでないとわかってはいるけど、

これだけやっているけどまだ足りないのか、とか

あれだけ失敗してきたけどまだ手応えが掴めない、とか

結果を出したいだけ、上手くなりたいだけ、

なのに、何でこんな目に合わなきゃいけないんだと思ってしまうことがあるだろう。

SNSなんか見ちゃうと、隣の芝生が青く見えると感じる人も多いんじゃないかな。

そして焦り、大事なことを忘れ、続けられず、盲目になる。



で、本を読んで冒頭の「いっそ堕ちてやろう」に行き着いた。

人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。

この文章を読んで、

結果を出したいとはいえ、

一体、何にしがみついているんだ?

一体、何でしがみついているんだ?

って思ったんだ。


しがみつくのもいいけど堕落するのが人間で、堕ちることでしか見れないものがある。

それはしがみつく事じゃなくて堕ちきらないと見れないもの。

それなら、いっそ堕ちてやろうと思ったんだよね。

堕ちきった状態は欲しい結果からは一番遠いかもしれないけど、

堕ちきることが欲しい結果に必要なことかもしれないでしょ。



結局、人間の本質っていうものは変わらないだろう。

結局、個人の性格っていうものは変わらないだろう。

それは、汚く卑しく醜いものかもしれない。

でも、それが人間だ。

人間の本質、個人の性格を受け止めた上で選択と配置を考えるべきだ。

変わらないもの、変えられないものを嘆いてもしょうがない。

人間は堕落するものなんだ。

堕落することを恐れるな。

堕ちきったさきに今まで見えなかった新しい世界が見えるんだ。

それなら、いっそ堕ちてやろう。



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