絶滅危惧種に指定される現状に私たちに出来ることはなんだろうか?
先日旭山動物園へ行った際にオランウータンのもぐもぐタイムを見ました。もぐもぐタイムは各動物へエサやりを見ることが出来るのと同時に飼育員さんによるその動物の小話が聞ける素敵イベントです。
たまたま見たオランウータンの話はとても考えさせられる話で、自分になにが出来るのだろうか?と少し悩んだりもしたので、その辺りの話を書いていきたいと思います。
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オランウータンのことは皆さんどのくらい知っているんですかね。私は申し訳無いですが、なんとなくのフォルムと人間に近しいゲノムを持っていることくらいでほとんど無知でした。
飼育員さんの説明によるとオランウータンはアジアで唯一の大型類人猿で、熱帯林に生息して、基本的には木の上で生活しているんだそう。だから捕まりやすいように手の親指が長かったり、生活に合わせた進化をしているんだそうです。家族や社会生活で共同で生きるということは基本的にせず、単独で生きていくのも特徴の1つなんだとか。
このあたりまでは「へ〜なるほどな」というお話ではあったんですが、この先に言われたことがとても衝撃的でした。
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まずオランウータン自体が絶滅危惧種に指定されています。(私は聞くまで知らなかった・・) 約100年の間に、およそ80%減少したと言われているそうです。その主な原因は、違法伐採や農地開拓などによる生息地の減少で、住む場所が無くなって、個体数を減らしているんだそうです。
ここまで聞くと、「自然を守らないのが悪い」「違法伐採なんて何をやっているんだ!」と憤る人もいると思います。特に最近はSDGsをはじめとする環境問題を意識が高まりを見せているので、あまり知らない人でも、環境への配慮は少しインプットされているような状況だと思うので、より多くの人が「おいおい・・なにやっちゃってんの」と感じるでしょう。
ただこの森林伐採で恩恵を受けているのは間違いなく私たちなんです。
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何を言っているかといいますと、主にオランウータンが生息している熱帯林はパーム油の原料となるアブラヤシを栽培するために大規模に伐り開かれ、その姿をアブラヤシ農園へ変化させています。
注目して欲しいのは「パーム油」で、聞き慣れないかもしれませんが、これ朝から晩まで暮らしの中に溶け込んでいて、無くてはならない存在になっているんです。
私もビックリしたんですが、本当にたいていの物に入っている気がします。
植物油
石鹸や洗剤
マーガリン
加工食品(カップ麺、菓子パン、ポテチなどなど)
メイク道具や歯磨き粉まで
食品だけでは無く、洗剤や歯磨き粉まで使用されているんだそうです。世界中で需要があるので、生産量も消費量もどんどん伸び続けている状態だそう。そのために森林伐採が行われ続けるというのが実態だそうです。
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森林伐採や違法伐採をしていると聞くと「おい!」と憤る気持ちになれるかもですが、伐採を止めたいので今すぐ加工食品を食べずに生活してくださいと言われて出来るでしょうか?カップラーメンは止められるかもしれませんが、歯磨き粉を使わずに生活してくださいと言われたら結構厳しく無いですか?
出来るだけパーム油フリーの石鹸や洗剤を開発しようと企業の方々も努力頂いている記事はたくさん見つかります。少しでも未来を変えようと動いてくださっているのはありがたさしか感じません。
そんな中で専門外だし、一般人の自分に出来ること・・数は多くないけど、飼育員さんに教えて頂いたものだと、旭山動物園内の自動販売機でドリンクを買うと一部の金額が支援に回ったりするそうなので、積極的に購入することも出来ることの1つかなと。
あと以前全く活動を知らないながらもたまたま支援出来たことなんですが、「マニスファンクラブ」の代表でもあるマルヤマサチコさんが展開されている、再利用の品で出来た素敵なカゴバックを購入するという形でも支援可能です。オランウータンが暮らすインドネシア・ボルネオ島に苗木を植樹するための費用として使われるそうです。
私たちに出来ることはそんなに多くないかもしれません。でも出来ることや知ることが出来たタイミングで、やれることをやる。これしか無いのかなと虚しい気もしますが、思っています。もちろんオランウータンだけじゃない問題はたくさんあるはずなので、まずは知ることから始めるのも出来ることの1つな気がします。
オランウータンも楽しく生きていける世界に。知ること、出来ることを探して生きていきたいと思います。