【マーケ基礎】集客イベントで、活性化はしない。
巨大ショッピングセンター
「阪急西宮ガーデンズ」がオープンし、
周辺の商店街は、大打撃を受けました。
特に、駅を挟んだ反対側の商店街は、
朝・夕以外は人の姿をあまり見なくなりました。
大型店が出店すれば、
そうなることは予想できたはずですが、
商店街は打つ手立てを見つけることができませんでした。
「西宮ガーデンズ」がオープン後、
なぜか「餅つき大会」を実施していましたが……。
「西宮ガーデンズ」の店舗構成を見ると、
レジャー感覚のウィンドウショッピングから、
生活必需品まで、きめ細かく揃っています。
ここですべてが完結してしまうので、
他のお店に行く必要が無くなるのです。
百貨店もあれば、スーパーもあり、靴の修理・合カギ、
DPE、クリーニング、手芸品、化粧品、自然食品、
服のリフォーム、美容室、エステ、旅行代理店、
シネコンなど、必要なものはすべてあります。
また、マツモトキヨシやユニクロ、
ロフト、成城石井など、
メジャーなお店もたくさん出店しています。
これだけ揃っていると、
商店街へ行く人が減るのは当然のことです。
では、もう潰れるのを待つしか無いのかというと、
そうではありません。
近くに大型店ができても、
安定した経営を続けているお店はあります。
そんなお店は、『店舗力』が他とは違っているのです。
字のごとく、お店に“力”があるのです。
お客さまを惹きつける魅力。それは……
・他には無い商品。
・他には無いサービス。
・他にはいない、個性ある店主。
こうした強さを持つことが、
大型店に負けない唯一の手段なのです。
ところが、世の中の商店街は、
“集客”ばかりを考えています。
お客さまに来ていただくために、
“まずはイベントをやろう”となります。
先日もテレビを見ていると、
「食のイベント」「餅つき大会」
をやっている商店街が映っていましたが、
それで商店街が活性化することはありません。
その日限りの“賑わい”です。
元々、商店に魅力が無くなってきたから、
スーパーや大型店に人は流れていったのです。
一時的に人が集まったところで、
お店にお客さまが戻ってくることはありません。
まずは『店舗力』なのです。
お店に魅力があってこそ、それを知らせるために、
イベントが効果を発揮するのです。
お店が変わっていなければ、
イベントは無駄な努力となってしまうのです。
政府も同じ間違いを冒そうとしています。
経済産業省・中小企業庁では、
来客の減少や空き店舗に悩む商店街の再生に向けた、
支援策を打ち出しました。
その中身は、
「空き店舗を利用したコミュニティ施設の整備」
「空き店舗を改修した、
有名店やアンテナショップなどのテナントの誘致」
「地域ブランドの開発」
など、ソフト面への助成を拡大するというもの。
これらも“集客”第一に考えています。
コミュニティ施設は、
店主たちのたまり場になるだけです。
有名店やアンテナショップは、
人のいないところに出店してくれません。
地域ブランドの前に、商店のブランド化が必要です。
正直なところ、私はすべて的外れだと思っています。
『店舗力』すなわち、お店の魅力づくりに、
どう取り組めばいいのかがわからない店主に対し、
学習する機会を提供してあげることが最優先の課題です。
世の店主たちも、もっと積極的に勉強すべきです。
日常に流されている人が多過ぎます。
それが面倒なら、お店が潰れるのは仕方ありません。
諦めてください。