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デジタル権威主義

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デジタル権威主義についての情報を発信してゆきます。 当面は備忘録代わりにニューズウィーク日本版などに発表した記事の資料を掲載します。余裕できたらオリジナル記事を書くかもしれません。
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#フェイクニュース

タリバンのSNS武器化の軌跡 2002年から現在までを3段階に分けて紹介

タリバンがアフガンを掌握して以降、さまざまなメディアでそのSNSの利用の巧みさが紹介されてきた。現在、タリバンのスポークスマンのツイッターアカウント(@Zabehulah_M33)は40万以上のフォロワーを抱えている。そして政権を握ったためにSNSプラットフォーム各社は悩ましい問題に直面している。これまではタリバンはテロ組織として扱うことができた。しかし、現在はアフガニスタン政府なのだ。タリバンの

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30カ国96件の影響力行使をまとめたプリンストン大学の「Trends in Online Influence Efforts」

2020年8月5日(第2版)に公開されたプリンストン大学の「Trends in Online Influence Efforts」(https://esoc.princeton.edu/publications/trends-online-influence-efforts)は、920件以上のメディア報道と380件以上の研究論文・報告書をもとに2013年から2019年にかけての影響力行使(Infl

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ベン・ニモの「THE BREAKOUT SCALE」

ベン・ニモが何者であるかを先にご紹介しておいた方がよいと思う。写真家、ライター、ダイバー、NATO報道官、軍事アナリストなど、あまりにもさまざま仕事をしているのだが、ネット世論操作に関して言うと大西洋評議会のデジタル・フォレンジック・リサーチラボで研究をした後、グラフィカに異動し、現在はフェイスブックのGlobal IO Threat Intel Leadである。多国語を操り、ロシアのネット世論操

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フェイクニュース対策としてのメディア・リテラシーの危険性 データ&ソサイエティ研究所創始者&代表のdanah boyd氏のスピーチ「You Think You Want Media Literacy… Do You?」の紹介

メディア・リテラシーはファクトチェックのみならず、現代に生きる人々にとって重要な課題となっている。しかし、「メディア・リテラシー」という言葉は多義的で人によって定義も異なる。Renee Hobbs氏(アメリカのメディア・リテラシー研究者、教育者)によれば、メディア・リテラシーとは「私たちが受け取り、作成するメッセージに関する調査と批判的思考(critical thinking)」であり、基本的には

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コロナとネット世論操作に関する欧州対外行動庁(EEAS)StratComsの一連の報告書(1)「DISINFORMATION ON COVID-19 – INFORMATION ENVIRONMENT ASSESSMENT」

EUのEEASのStratCommsはフェイクニュースなどネット世論操作に対処しており、コロナパンデミックが起こってからは関連するネット世論操作を追跡している。EUvsDisinfoには、コロナとネット世論操作についての速報EEAS SPECIAL REPORTS(https://euvsdisinfo.eu/category/blog/eeas-special-reports/)が掲載されている

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福島沖地震のツイッター統計についての備忘録

この記事はニューズウィーク寄稿記事(福島県沖地震後にもっとも拡散した外国人関連ツイートは、ヘイトではなく安全情報だった)で入れなかったこまごましたコードやデータについて備忘録的に書いたものです。本当は地震直後に書きたかったのですが、あの時はまだふたつ前のニューズウィークの記事を書いており、さらに次の原稿の内容も決まっていたので、このタイミングになってしまいました。
今回もRでツイッターAPIをたた

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ツイッター統計分析についての備忘録

ニューズウィーク寄稿記事の備忘録です。ある程度、Rや統計についてご存じのことを前提にしています。分析そのものについてはニューズウィークをご覧ください。ここでは基本的なコードや手順をメモしておきます。

一般人が利用できるツイッターのアーカイブには制限が多いのですが、その範囲でいろいろやってみました。全く同じ方法でフルアーカイブを分析できるはずなので、やってみたいですね。
学術関係者の方はツイッター

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