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過敏性腸症候群(IBS)とは?症状と原因や難病指定について

ストレスや自律神経の乱れなどによって、引き起るとされている過敏性腸症候群(IBS)。国内での有病率は、人口の約10%と報告されており、有病率の高い疾患として知られています。

今回は過敏性腸症候群の症状と原因、難病指定の有無などについて詳しく解説していきます。現在難病として指定されている腸疾患についても合わせてご紹介させていただきます。

また過敏性腸症候群の経験者である私自身の発症のきっかけなども踏まえてご紹介いたします。

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過敏性腸症候群(IBS)とは?どんな病気?

内視鏡などによる検査でも腸に炎症、潰瘍などの異常が発見されないにも関わらず、下痢、便秘、ガスの異常発生、お腹の張りなど腸の不調が長期間続く症候群です。

現在、明確な原因が解明されていませんが、一般的にはストレスや自律神経の乱れにより腸が過敏になり、長期的に不調をきたすのではないかと言われています。

また過敏性腸症候群には、「下痢型」、「便秘型」、「ガス型」、「複合型」などの種類があります。一般的な消化器内科では、整腸剤やガスの発生を和らげる薬を処方してもらい、治療を行います。

腸が精神的ストレスや自律神経失調などの原因で刺激に対して過敏な状態になり、便通異常を起こす病気。

過敏性腸症候群 | e-ヘルスネット厚生労働省

過敏性腸症候群(IBS)の種類

上記でもお伝えした通り、過敏性腸症候群には、「下痢型」、「便秘型」、「ガス型」、「複合型」などの種類がありタイプによって症状は異なります。下痢と便秘を繰り返す下痢型と便秘型の複合型(交代型)などもあります。

日本ではあまり知られていませんが、アメリカの研究では過敏性腸症候群と診断された方の約8割の方が、小腸内細菌異常増殖症(SIBO)を合併しているという報告もあります。

各種類と小腸内細菌異常増殖症(SIBO)についてもそれぞれ解説していきます。

過敏性腸症候群 下痢型

痛みのある腹痛と共に下痢の症状が長期間続き、1日に何回も下痢を伴うのが下痢型です。学校や会社などで症状が出てしまうと、生活にも支障が出やすく、便秘型よりも症状に悩まされる方が多いタイプです。

過敏性腸症候群 便秘型

腹痛を伴う便意があるものの、腸が何らかの原因によって大腸の動きが弱くなり、便が出にくく残便感が強い症状が特徴です。ウサギのようなコロコロとした固い便になりやすくなります。

また男性よりも女性の方が便秘型になりやすいといわれています。

過敏性腸症候群 ガス型

腸内にガスが貯まりやすく、お腹が張る、ガスが出やすいなどの症状が現れます。ガス型の方は、小腸内細菌が異常増殖し、大量のガスを発生させてしまう小腸内細菌増殖症(SIBO)の可能性も高いといえるでしょう。

過敏性腸症候群(IBS)の患者の内、6~8割以上の方が小腸内細菌増殖症(SIBO)との合併が認められていることが明らかになっています。

過敏性腸症候群 複合型

複合型は、下痢と便秘を交互に繰り返し症状が現れます。周期は個人差がありますが、2~4週間などの周期で下痢と便秘が入れ替わることが多いようです。

小腸内細菌異常増殖症(SIBO)

大腸には約1,000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息していますが、酸素が含まれている小腸では、大腸ほど腸内細菌は多くありません。

しかし小腸内細菌異常増殖症(SIBO)を発症すると、名前の通り小腸内の最近が異常繁殖し、ガスの異常発生、お腹の張りなどの不調をきたす病気です
参考:SIBOとIBS | 田中内科クリニック

過敏性腸症候群の原因はストレス・自律神経の乱れ・食生活・腸内環境

現在でも過敏性腸症候群の明確な原因は解明されていませんが、主に過度なストレス、自律神経の乱れによる腸内環境の変化や腸のぜん動運動の異常などが原因として挙げられています。

それぞれの原因がどのように腸に影響を与えるのか詳しく解説していきます。

過敏性腸症候群の原因ははっきりしません。過敏性腸症候群の多くの患者で、消化管が様々な刺激に対して非常に敏感になります。感情的要素(ストレス、不安、抑うつ、恐怖など)、食事、薬(下剤など)、ホルモン、ささいな刺激がきっかけになって過敏性腸症候群の発作が起きたり、悪化したりすることがあります

過敏性腸症候群(IBS) | MSDマニュアル家庭版

過度なストレスや自律神経の乱れによる原因

胃腸と脳は密接な関係性を持ち、脳が過度なストレスを感じ自律神経に乱れが生じると、下痢、便秘、腹痛、お腹の張りなど腸の不調を引き起こす原因となってしまいます。

仕事や人間関係などでストレスを感じやすい方、自律神経が乱れていると感じている方などは過敏性腸症候群を発症しやすいといえるでしょう。

過敏性腸症候群とストレスや自律神経の乱れについては、下記の記事で詳しく解説しています。自律神経の整え方などもご紹介していますので合わせてご覧ください。

食生活による原因

偏った食生活により、過敏性腸症候群を引き起こす場合もあります。また過敏性腸症候群やSIBOを発症した場合、食生活の見直しによる食事療法は、有効性が高い治療法となりますので是非取り入れてみてください。

過敏性腸症候群、SIBOを改善するには、小腸で吸収されにくい食材を制限する低FODMAP食を取り入れることで、過敏性腸症候群などの症状を大幅に改善することができます。

例えば、パン、牛乳、ヨーグルト、豆類などは過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまう可能性が非常に高い食材となります。食生活の見直しが過敏性腸症候群を治す第一歩となります。

腸内環境による原因

一般的に、過敏性腸症候群は自律神経の乱れやストレスが主な原因と言われていますが、私自身の経験では、自律神経の乱れやストレスではなく、腸内環境の悪化が主な原因と考えています。

特に、悪玉菌が異常繁殖し、腸内環境の比率が乱れ、下痢やガスの異常発酵が起きるということが一番の原因だと思います。

私の場合は海外製の大豆プロテインが原因で過敏性腸症候群を発症

私の場合は、海外製プロテインを摂取後に、過敏性腸症候群、SIBOを発症してしまいました。発症前は、便秘、下痢などの症状は一切なく、便通も正常で腸内環境も悪くなく、特に問題はありませんでした。

しかし海外製プロテインを摂取後に、今までに経験したことがない腹痛と腹音(ゴロゴロ音)、2週間以上下痢が続き、消化器内科で診察したところ、過敏性腸症候群と診断されました。

これまでも国内のプロテイン(ザバス)を服用したり、上記リンクでご紹介している小腸に悪影響を与えるとされている高FODMAPに該当する、パン、豆乳、大豆製品、ヨーグルト、野菜などは摂取しても全く問題はありませんでしたが、過敏性腸症候群を発症してから、同様のものを摂取すると下痢の症状がさらに悪化するという状態でした。

過敏性腸症候群(IBS)は難病指定ではない

仕事中や授業中など生活に支障をきたす症候群ですが、難病に指定されている疾患ではございません。現在国内で厚生労働省が難病に指定している腸の難病は、クローン病、潰瘍性大腸炎の慢性炎症性腸疾患となります。

2014年度時点で報告されている患者数は、胃潰瘍性大腸炎17万人、クローン病4万人となっています。また年々増加傾向にある疾患でもあります。

明確は原因が解明されておらず、体内の免疫機構に異常が生じ、免疫細胞が腸の細胞を攻撃することで慢性的に腸に炎症が発症する疾患です。主な症状は、下痢、腹痛、血便、発熱などの症状が一般的です。

クローン病、潰瘍性大腸炎は、原因不明の慢性的な炎症性腸疾患であり、厚生労働省が難病に指定しています。

指定難病炎症性腸疾患診療 | 長浜クリニック

潰瘍性大腸炎は芸能人にも多い疾患

上記でもお伝えした通り、慢性炎症性腸疾患は年々増加傾向にあり、芸能人の方なども多く発症しています。潰瘍性大腸炎を患った芸能人、有名人は下記の通りです。

・内閣総理大臣 安倍晋三
・若槻千夏
・高橋メアリージュン
・岸明日香
・三崎優太
・東海オンエア てつや

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