【エッセイ】映画『うみべの女の子』を観て

断続的に打つ波の音が海岸沿いをゆっくりと走り抜けてゆく。。。。。。。
『空が灰色だから』
うみべにEchoする不定のノイズが「男の子」の実存を撹乱する
その(目)は過去の亡霊を見つめていて(          )

(15年前の今日、彼は生まれ
(昨年の今日、兄が死に
(そして今日、彼の〈14歳〉が死んだ)
)
。　)

今日もうみべで何かを探し求める「女の子」は
彼
の
存
在
を知る

うみべ
そこはあらゆる生物の墓場
砂浜の貝殻は死を象徴する
拒絶し合う心と心はSEXを通して結ぶ〈線〉となるがそれは円環になれず始点と終点の存在を暗喩する。しかしその本質は定義されないため〈線〉は2次元空間上で泣いていた

潮が
(目)にはいって少し、いやすごく痛いよ
海に飲み込まれちゃったね男の子
あーあ

(泣かないで！)

な／み／が／な／る／
(※漢字をひらがなにすると速度が増すが・っm以下省略)
彼は彼が吐き捨てた嘘＜が波のように関係性のなかを漂う嘘＜が逆流する嘘を避けるために避妊する
兄がーーーーー

死んだのです

海が

　　　　　　。　　　、

　　　　)　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　)

死んでくれないから

彼が(格助詞)死んだ＜死ぬ
(※現在形「死ぬ」は何時しか〈過去〉を孕んでしまった)

必死に詩から逃れるようにして泳いでいた「男の子」の生死が／
やがて「女の子」の体内から吐き出される

拒絶された意志は死に、
傘を差したままの夢はその涙を見ない

性交した
いやだ
成功しない

この映画は完全なる灰色を抽象イメージとして表象していた
気持ち悪くて耐えられないスクリーン上の青色を黒色の油性マーカーで塗りつぶした男の子の渇きが女の子の着ていた幼い制服を何度も何度も犯したその恋が悪を殺した自らを断罪するため一眼レフに換喩されたあの(目)からその存在を一旦消去したがやがて別の〈少女〉に詩を奪われてしまった男の子は死ぬことに失敗し昏くて深い海の底へと沈んでゆき息も絶え絶えに射精するその戸惑いは恍惚を秘匿したまま女の子に最後の別れを告げるシークエンスにおいて生成されるうみべの男の子が