【短歌一首】 黄昏に「家具の音楽」溶け出せばただ身を委ね明日へ流れん
短歌は体調回復セラピー。
6月の初めに体調を崩して以降、どうもやる気が出ない。特に、週初めは根気というものが全くなく、頭の中に幕がかかっているかのようで思考力が働かず、仕事に身は入らない。しかも最近週初めの月曜日はいつも雨。(とやる気のなさを雨のせいにしてみる。)
日も沈みかける頃に一日の疲れをなんとか癒そうと、好きな音楽に浸ってみる。
こういう心身の調子が悪い時には、なんといってもフランスの作曲家エリック・サティがいい。 家にあったCD「これがサティだ(This is Satie)」をかける。
サティは、1920年頃に『家具の音楽』と称して、家具のように、そこにあっても日常生活を妨げない音楽、意識的に聴かれることのない音楽、を目指したとのこと。 その狙いや思想についてはともかく、とにかく曲を聴いてみると「家具の音楽」と呼んでいることがよくわかる気がする。
特に、好きな曲である「ジムノペディ」。第一番が最も有名だと思われるが、第二番、第三番もあり、「3つのジムノペディ」と言われる。何の評価もせず、何も考えず、ただ空気や自然に身を任せるようにして聴く。いや、聴くという積極性すらないかのようにただ音に浸る。
【ジムノペディ(エリック・サティ)】
よく落ち込んでいる時に音楽から元気をもらうという話をきく。もちろん音楽にそういう力は備わっていると思う。でも、体の調子が悪くて頭もぼおっとして働かない時には、元気や前向きな力をもらうというよりも、何も考えずにただ静かに音に浸って、その中を流れてみるのが良いかな。
サティを聴いていると、今日の嫌だったこと、落ち込んだこと、ストレスフルな出来事などに抵抗したり、それらを乗り越えて明日から頑張るぞと気合いを入れたりするのではなく、ただ何も思わず、静かにゆっくりと身も心も今日から明日へと流されていくような感じがする。
これはもしかして、「サティ/家具の音楽によるマインドフルネス音楽セラピー」と言えるかも。(勝手に命名)
今後、カウンセリングで誰かにお勧めしてみようかな。
猫間英介