日本文学とフロイト

数年前、放送大学の心理学講座をよく観ていた。

講師はユング派が多いようだ。

『人格心理学』の大山泰宏先生(京都大学)も、そうした観点で『千と千尋の神隠し』などを分析していた。

しかし、明らかにフロイト的な作品が日本に存在する。

 

河野多恵子の「幼児狩り」は、フロイトの「子供が叩かれる」(『自我論集』ちくま学芸文庫)を彷彿とさせる。

河野は、この論文を知っていたのだろうか?

それとも、実体験や想像力によるものか?

気になるところだ。

 

「子供が叩かれる」によると、女性の心の中には少年像が存在する場合があるらしい。

女性歌手が歌詞の一人称を「僕」にしたりするのは、そのせいかもしれない。

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