水木しげるの隠れた名作
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんの短篇漫画に、「最初の米」という作品があります。
稲作の起源を描いたもので、カテゴリーとしては、いわゆる“農耕起源神話”に入ると思われます。
農耕は自然への介入であり、必然的に犠牲をともなうのだということを思い起こさせてくれるストーリーです。
この作品は、民俗学的・文化人類学的な視座が感じられます。
アニミズムや神道などの日本的な信仰を、その原型まで遡って捉えていると言えましょう。
兄弟が出てくるあたりは、旧約聖書のカインとアベルや、ローマ建国神話のロムルスとレムスを連想しますね。
最後のほうで、さりげなく兄弟愛が描写されているところも注目ポイントです。
「最初の米」は、『畏悦録 水木しげるの世界』(角川ホラー文庫)に収録されています。
是非、ご一読あれ!
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