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こんな本を読んだ 『反哲学入門』

比較的最近読んだ本の感想を、書下ろしで投稿しています。古い本が多いです。『安っさんのこんな本を読んだ』というマガジンにまとめます。

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『反哲学入門』

木田元の『反哲学入門』という本を読みました。-

はじめにことわっておきますが、私は哲学というものに明るくも詳しくもありません。ちょっとだけかじったこともありますが、理解したとはとても言えない。

「入門」とついているからといって、哲学関係の本に関してはほとんど理解不能。とくに翻訳ものは。なんでこの本を選んだにかというと、単にタイトル買いです。ホント。

木田元(1918-2014)さんは、哲学者、翻訳家。専攻は西洋哲学史、現象学の研究。中央大学名誉教授。

で、この本はどうだったかといえば、大変わかりやすく、面白かった。わかりやすいとか面白いとかいう言葉は、哲学の本に関していえばホメ言葉ではないのですが、この本はそうだった。

木田さんは、ソクラテス/プラトンからヘーゲルまでのいわゆる哲学を西洋のきわめて特殊なものだとします。そして次のように述べます。

超自然的原理を設定して、それを参照にして自然を見るような考え方、つまり哲学を「超自然的思考」と呼ぶとすれば、「自然」に包まれて生き、そのながで考える思考を「自然的思考」と呼んでもよさそうです。わたしが「反哲学」と呼んでいるのはそうした「自然的思考」のことなんです。

文庫28ページ

だから、「哲学」といっても。ソクラテス/プラトンのあたりからヘーゲルあたりまでのいわゆる超自然的思考としての「哲学」と、ソクラテス以前の自然的思考や、そしてそれを復権することによって「哲学」を批判し解体しようと企てるニーチェ以降の「反哲学」とは区別して考える必要があります。それを一緒くたにして考えようとするから、なにがなんだか分からなくなる。

同上

目の覚めるような一文です。
この文章より後は、少し詳しく、難しくなりますが、上の文を読むだけでも価値があります。

現在の「哲学」の位置や意味を知るのにうってつけの「入門書」です。


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