冬木糸一

書評家もしくはレビュアーを名乗ることが多い。SFマガジン、家電批評に連載を持っている。「基本読書」というブログを書いている。noteでは日常の雑記を書いている。Amazonのアソシエイトとして、huyukiitoichiは適格販売により収入を得ています

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    ノンフィクション書評サイトHONZ(2011−2024)のアーカイブ

最近の記事

基本読書のpodcast、はじめた

友人の出版社社員のうなぎくんと一緒に基本読書のpodcastはじめました。第一回のテーマは「最近読んでいる本とどうやってその本を選んだか」で、次回以降もこれぐらいざっくりと日常的なテーマでやっていこうかと。まあ、喋っているのは最近読んでいる本だけじゃないんだけど。 うなぎくんは当然仮名であり出版社の所属も明らかにしていないが20代半ばぐらいの人です。出版社の人といっても雑誌編集部にいたり別の部署にいたり今はpodcast関連をやっているというよくわからない人間で文芸にもノン

    • 10月の日記

      最近(主に10月)の日記。 妊娠って大変だなあ 数ヶ月前から奥様の妊娠が発覚しバタバタしていたが、10月あたりからはようやく落ち着いてきたように思う。僕もよく知らなかったが妊娠初期は流産がよく起こりそのために9週の壁とか10週の壁とかやたらと壁を乗り越えていかねばならず、妊婦健診の頻度も二週間に一回と多い。僕自身が健診を受けるわけでもないしつわりがあるわけではないが、奥様がつわりの間でも食べられるご飯を探して作ったり味付けを試行錯誤したり行ける時は健診に付き添ったりとそれ

      • AMVと書評

        ぼくはAMV(Animation Music Video)が好きでよく漁るのだけれども、優れたAMVをみていると「僕もこういう書評が書きたいなあ」とよく思う。AMVとは簡単にいえばアニメや映像媒体を音楽に合わせて別途編集しひとつの動画にする──ということだけだが、非常にたくさんの種類がある。 編集することで一個のストーリーを物語ものもあれば、純粋に音楽とのリズムとあわせて気持ちよく映像を編集したもの、ひとつの作品だけを扱ったものもあれば数十、数百の作品を合わせたものなど様々

        • 事前事後

          世の中、体験してみてはじめてわかることってあるよなと思うわけである。たとえば最近の僕で言えば「ストレッチ」がそれで、ストレッチをやる前は自分の身体が硬いことは知っていたけどそれでどんな不具合が起こっているのか、ストレッチで身体が柔らかくなると何が起こるのかはよくわかっていなかった。腰痛があったりしたのでなくなるかもしれないなあぐらいで、報酬がよくわからないのでストレッチを熱心に継続することもなかった。 それが、数ヶ月単位ほとんど毎日やったことで劇的に身体のしんどさがかわり、

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          文体に関するマシュマロへの返答

          どこにもURLの記載のないマシュマロに質問がきていたので返答します(検索で見つけたんだろうか?? スゴいですね)。 だけれど、だけどを使うケースについては、具体的にいつも頭の中でこういう時使おうと決めているわけではない(フィーリング)ですが、自分の使用例を振り返ってみて分析してみると、印象をやわらげて、読者により語りかけたい時に使うことがおおいようですね。通常の説明、本の内容の要約などは「だが、」で区切る(語りかけているというよりはまとめている)。 そうしてまとめた内容を

          文体に関するマシュマロへの返答

          だしを取り始める

          30歳になるぐらいの頃から自炊をするようになって今も毎日料理を作っている。で、毎日料理していると漫然と作っているようであっても少しずつ変化したり新しいことにチャレンジすることもあるもんで、時々明確に「レベルアップしたな」と思うことがある。唐揚げとか揚げ物とかをはじめて作った時も思ったし、鍋のスープを自分で作り始めたときも思ったし。 で、ずっとお味噌汁とかのだしは全部顆粒だしを使っていたのだけど最近ためしに煮干しとかしいたけでだしをとってみたら手間は余分にかかるもののうまいな

          だしを取り始める

          忙しい時こそ古典を読んでいきたい感もあり

          最近プライベートも本業もバタバタしていて忙しいといっていいような状態になってしまっているがこんな時こそ腰を据えて読んでいない古典をどっしりと読んでいきたいよな、という気もする。書評家、レビュアーのような仕事をしていると洪水のように押し寄せてくる新刊をさばききる(さばききれない)のに必死になってあまりゆっくりと古典を読んでいる時間もない。 しかしそれは書評家などと名乗って仕事を請け負っているからそうなっているだけだ。僕がむき身の一個人であった時は、別に新刊とか古典とか旧新作と

          忙しい時こそ古典を読んでいきたい感もあり

          (ゲームで)忙しい

          最近もっぱら僕がやっているゲームと言えばLoLとスト6とMtGなのだけど、見事にMOBAと格ゲーとカードゲームとジャンルが分かれている。で、自分でやっているだけならまだしも僕にとってはゲームをプレイすることはそのままプロシーン観戦を楽しむことと同義で、まあとにかく忙しい。 もうすぐLoLでは世界大会であるWorldsが始まるし、そのすぐ後にはMtGも世界大会が始まる。スト6は日本のSFLが毎週あるしその後も大会が目白押し。アップデートの時期もかぶっていてLoLはもうすぐラン

          (ゲームで)忙しい

          なんとなく雑記

          なんとなく適当に最近考えていることなどを書こう。 なんとなく家を買おうかな〜 僕は基本的に賃貸派で持ち家を持つという考えはあんまり持っていない。賃貸派の理由は一人暮らしを始めてからほぼ2年単位で引っ越しを繰り返していて5年10年同じ場所で暮らす自分の姿が想像できないからで、結婚をしてもその考えは特に変わらない。都心部で下がりそうもないところの家を買うなら投資資産的にはいいんだろうけど買えるわけもあらず。 とはいえ家を買うという選択肢を完全に放棄したわけでもなく、数年置き

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          8月に読んだ本とかやった仕事とか

          8月は忙しかったような忙しくなかったようなよくわからない一ヶ月だった。暑いからあまり出かけていないような気もするしよく出かけたような気もする。MtGの大会に行ったり呪術廻戦展に行ったりはした。8月後半は個人的に良いことが発覚しその対応に追われていたりもした(今も)。 最近いろいろ書評仕事をいただくことが多くありがたいかぎり。10月からは書評連載も新しく増える予定でございます(また後日に報告します)。8月に書いた外部原稿を少し振り返ってみると、まずダイヤモンド・オンライン。

          8月に読んだ本とかやった仕事とか

          コストと信頼

          僕が常日頃人間関係の構築で意識していることのひとつに、「コストの恩返し戦略」がある。どういうことかといえば、自分が誰かにコストを投資してもらった時、その人物に自分も同程度かそれ以上のコストを返礼するという戦略である。言ってみれば旅行のおみやげや何らかの贈り物をもらったから同程度の贈り物をするだけのことではある。ただ、おみやげやら贈り物以外でも明確に意識してコストの恩返しをしよう、コストの見積もりをしようという話で、僕はそれが長期的な信頼関係の構築に非常に重要だと考えている。

          コストと信頼

          強い言葉をそう簡単に使ってはならない

          「あまり強い言葉を遣うなよ…弱く見えるぞ」とは当然ながらBLEACHの名言だ。バトル中の文脈だがそれ以外のシーンでも応用がきく言葉である。たとえば、書評でもそうだ。書評、レビューする人間というものはあの手この手で作品を褒めたりけなしたりする。その時基本的に文章で「読み始めたらページをめくる手がとまらず1000ページ一気に読み切ってしまった!」のようにいかにおもしろいのかを表現するわけだが、「単語」レベルでの格、強弱もある。たとえば最上級、最強格でいえば「傑作」だろう。 ちょ

          強い言葉をそう簡単に使ってはならない

          呪術廻戦展行った

          渋谷のヒカリエの9階でやっている呪術廻戦展に奥様と一緒に行ってきた。 一人2000円ぐらい。内容はボリュームたっぷりでゆっくりみてまわったら平気で2時間以上かかりそう。わりとサクサク進んでも1時間20分ぐらいはかかったから、満足度としては非常に高い。あんまりこういう◯◯展に行ったことがないから当たり前なのかも知れないけれど人の流入も適切にコントロールされていて人が多すぎて待ち時間が……みたいなこともなかった。 内容的には呪術廻戦のネームや下書きの展示からはじまって、呪術廻

          呪術廻戦展行った

          最近の関心領域

          ノンフィクションを選ぶ時の基準はまず当然「おもしろそうかどうか」だけど、おもしろそうかどうかの元になるのは「自分自身の興味関心」だろう。音楽を演奏したり作曲する人なら音楽系のノンフィクションが気になるだろうし、絵を描いたり彫刻をする人ならアート系の本が読みたくなる。 軍事系の情報を得るのが好きな人は戦争や特殊部隊などの本を中心に読むだろうし──と、本の選定はまず「個人の関心領域」によって出発する。個人の関心領域がはっきりしている人もいるし、はっきりしていない、あるいは自分の

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          我が意を得たりは危険である

          最近ノンフィクションを読んでいて思うのだけど、意識していないけれどいろんなテクニックを使っていることがあるよな、と思うわけである。 たとえば、学術系だったり、ポピュラー・サイエンス系のノンフィクションでは当然たくさんの研究・実験が紹介されている。されているのだが、別にある結果を示唆する研究があることはイコールである結果を保証するものではない。一番多いのは自説に都合の良い研究や結果が出ている研究だけを意図的にピックアップしてそれだけ紹介する、というもので、これは「やってる・や

          我が意を得たりは危険である

          不死と宗教

          『死の終わり』を読んだ。現在様々な方面から老いを病気として捉え、老いを治療しようとする試みが続けられている。老いが病気であるならば風邪薬を飲むようにして治療すべきだし、老いずに生きていけるならとても良い。 おもしろい本なのだが自説に都合の良い仮説・研究ばかりチェリーピッキングして(特に人体の冷凍保存を肯定する部分とかほんとにひどい)、ひどい論理で自説を正当化し、ひたすら同じことを繰り返す本でそこまでおすすめでもない(そこまでけなしてほんとにおもしろいのかという感じではあるが

          不死と宗教