忙しい時こそ古典を読んでいきたい感もあり

最近プライベートも本業もバタバタしていて忙しいといっていいような状態になってしまっているがこんな時こそ腰を据えて読んでいない古典をどっしりと読んでいきたいよな、という気もする。書評家、レビュアーのような仕事をしていると洪水のように押し寄せてくる新刊をさばききる(さばききれない)のに必死になってあまりゆっくりと古典を読んでいる時間もない。

しかしそれは書評家などと名乗って仕事を請け負っているからそうなっているだけだ。僕がむき身の一個人であった時は、別に新刊とか古典とか旧新作とか、何も考えずに本を読んでいたわけなので、今の新刊に溺れそうになっている状況は(正直そんな生活を10年近くやっているわけでこんなことを考え始めるのは遅きに逸した感があるが)「自分が一番リラックスできる状況」からは、少し離れてしまったのかなと言う気もする。

そうはいっても人間は変わっていくものなので、今の状態がじゃあ無理をしている状態なのかといえばそんな気もしない。でも新刊ばかり読んであっぷあっぷしているのはあんまりおもしろくもない。というより、新刊だけ読んでいればいいわけではないのは当然のことだ。これから月に数冊でもいいから読んだことがないし書評をする気もない本を適当にだらだらと読んでいってもいいのかもな、という気もする。読みたい本はいっぱいあるんだわさ。

最近本屋でみかけて思わず手に取ったこれとか(いや、これは出たばかりだからある意味では普通に新刊なんだけど)

立派な中堅になってしまったのではないか

しかしなんでバタバタしているのかというと、僕も35歳になっていつのまにやら立派な「中堅」になってしまったからだよな、と思うわけである。

家庭においては中堅も何もないが結婚生活も先日二年目に入り(おかげさまで大変仲良くやらせていただいております。結婚して良かったな。結婚それ自体への感想についてもまた今度書きたいと思います。)、来年早々には引っ越そうとも思っているし家庭内の変化もバタバタしていて忙しい。

で、職場においては35歳といえば新卒から同業界で働いていれば業界歴も立派に10年を超えている経験者であって、特に今の会社にはなんだかんだで6年近くの在籍期間(だいたい1年、最長3年で転職を繰り返してきた身からすると最長)にもなって自分が一番知っている分野も増えてきた。そうすると何かあったら自分がやらねばやらねばとなるところも多い。

プライベートというか関わっているNPOやらライター仕事でも10年以上のキャリアになってきてもうなんか新人というか中堅感が出てきている気がする。というか、いまだに新人気分だとちょっと問題が出てくる。そうなってくるとあれもこれもやらねばという話になるし依頼も増えているのかは数量を把握してないからよくわからないが増えている気もする。少なくとも昔は依頼されなかったような難度の高い仕事は増えている。能力的に成熟してくるとあれもやりたいこれもやりたいと欲望も出てくるものだ。そのうえ、体も衰えつつあるのだろうけどあまり実感もなく普通に動く。

僕はずっと暇な人間であることを誇りにしてきた節があるのに最近はとてもとても暇であるとは言い難くなってきた。それが中堅化(というか35歳になるというか)に伴うものであり、大人しく加齢と相対的な立ち位置の変化に対応していくのもそれこそが人生〜という感じでとってもいい気もするし、また「暇だなあ〜」と胸を張って言える状態にがんばって回帰してみたい気もするし、なんかいろいろありますわな、と思う日々でありました。

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