運動大嫌いだったのに、趣味がランニングになった話(中)
前回の続き
約5年前、運動するのが大嫌いだった僕は、中年に差し掛かって少しずつ太りだす。
意を決して筋トレを始めるものの、途中で効果は頭打ちに。この先どうすればスリムな体を取り戻せるのか・・・。
何かを得るために、何かを捨てる
具体的に本気で痩せようとする人は、何パターンかの決まった行動を取る。
・食事を減らす
・スポーツジムに通う、トレーナーをつける
・自宅でトレーニングをする
サプリメントやEMS器具なんかに頼っている人は、本気で痩せようとは思っていないのではないだろうか。本気で「動かずに痩せたらいいな」とは思っているのかもしれないけど。
結局は摂取するカロリーを減らすか、消費するカロリーを増やすか、またはその両方をやる以外に、痩せる方法なんてないのだ。
僕はスポーツジムに通うことに、非常に抵抗があった。
ちょっと前までスポーツ自体が大嫌いだったのに、なぜスポーツジムに行かねばならんのか。ジムのインストラクターさんは体を動かすことを教授する専門家だ。きっと僕の知らない知識や効率的な方法で、今のやり方よりも良い方法を提案してくれるのだろう。
でも嫌だ。
体育会系の人の出す空気が合わないし、何より自分の身体の管理を他人に任せるのが嫌だ。あと、いろんな知らない人と同じ空間で運動するのも気が引ける。僕は他人と行動を合わせるのがヘタクソだ。他人と自分を比べるのも、他人に自分を物差し代わりに使われるのも嫌だ。
マイペースで、自分一人で運動をしたいのだ。スポーツジムの会費が結構高いのも嫌だ。
でもこのままではジリ貧で痩せられない体になってしまいそうだ。
それも困る。
悩んだ末、昼食を抜くことにした。仕事が忙しいのでランチタイムはラーメンとかカレーとかどんぶりものとか、サッと食べられるようなものばかりを掻き込んでいる。大食漢だからご飯はいつも大盛りだ。それらをいったん止めて、おにぎりか、ヴィダーインのプロテインバーにして、それに慣れたら完全にお昼ご飯を食べないようにしてみた。
これはとても効果があった。やはり食べなければ太らないのだ。
初めは少しつらかったが、仕事が物理的に忙しかったので、頑張っているうちに夕方になる。僕の仕事は残業なしの4時上がりだ。買い物を済ませて、夕方5時には帰宅、即作り始めて、6時には晩酌をしながら家族でお腹いっぱい夕ご飯を食べる。
以前からそうだが、白米が大好きで多い時は夜だけで2合食べる。夜ご飯を減らせばそれだけで痩せるのはわかっているけど、それではストレスがたまるのだ。
ランチを抜きつつ筋トレを続けたら1年で2キロ落ちた。80–81キロ。
いよいよ学生時代の70キロ台が見えてきた。
運動嫌いのトレーニング注意点
参考までに、運動経験がない人、長い間ブランクが空いている人が思い立って運動を始めるときの注意点を。
とにかくやり過ぎないことが大切だ。
自分が考えているほど、肉体は丈夫じゃない。人によって差はあるけど、限界まで動くようなトレーニングは、鍛えられた猛者にのみ許される。
普段動かしていない筋肉を急に動かすと、たいていの場合筋肉がすぐにオーバーヒートして体が痛くなる、筋繊維が傷ついて炎症が起きる。
通常、この炎症が治癒する時に「超回復」という、筋力アップの仕組みが発生するのだが、運動経験が少なかったり虚弱な人は、この炎症がものすごくしんどい。
トレーニング後に全身が熱を持ったように熱くなり、夜になっても興奮状態で眠れなかったり、最悪体の抵抗力が低下して風邪をひいたりする。
スポーツ大好き筋トレおじさんとかなら「痛みは生きてる証拠ダゼ」とかマッチョな思考でこの辛さをクリアしてしまうのだろうけど、僕を含めインドア派で若干内向きな性格の人の何割かは、この反動痛でトレーニングやランニングを諦めてしまうんじゃないだろうか。三日坊主というやつだ。
だから僕は、運動初心者には「息が切れたらやめる」を推奨したい。
走るのでも、筋トレでも、軽く息が切れたらその日は終了。
翌日以降、体の痛みが取れたらまた再開。それくらいでちょうどいい気がする。やり過ぎて続けられなくなるより、物足りないくらいで継続する方が、結果的には効果が出ると思うのだ。
筋トレは効率悪い?
筋トレとランチ抜きで80kgまで落としたのはいいが、やはり気を抜くと体重は戻ってしまう。あと、筋トレはある程度進めると、素人運動ではそれ以上変化しない壁が現れることが分かった。
実は並行して水泳なんかもやってみた(近所の公営プールに休みの日などに出向き、2時間くらい泳ぐ)のだが、プールというのは準備と移動、着替えなんかに1時間くらいかかってしまう。なんだかすごく無駄な気がしてやめてしまった。
同じ理由でやはりスポーツジムも却下した。
もちろん「スポーツ大好きな人たちと一緒に過ごすのが苦手」というのが最大の理由だが、どこかに出向いて体を動かすのがおっくうで、無駄で、めんどくさく感じるのだ。
「ぜんぜんランニングの話にならんやん」とお思いでしょう。僕もそう思っています。次回、次回こそは走り出します。もう一回お付き合いください。
(次回に続く)
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