はじめての梅仕事は、第3形態まで楽しむ。
私が包丁を持つと、その姿を見ている周りから
「持ち方こわっ……!」
と恐れられてしまうくらい不器用で、料理はからっきしだったんです。
そのせいもあって苦手意識が強くって、結婚してすぐの頃はお恥ずかしながら完全に放棄していました。
料理をし始めたのはほんとここ数年で、少しずつ簡単なものから作ってみて、旦那さんに「おいしい!」って言ってもらえることも増えてきまして。
つい昨日も、がんばって作った麻婆豆腐をモリモリ食べてくれて、小さくガッツポーズしました。
そして今年、意を決して初めて挑戦した梅仕事。
慣れない手つきで、無駄に丁寧に作業をしたのがとても印象に残っています。
ドキドキの2週間後には無事に梅シロップが完成して、達成感と安堵の嵐です。
まるで我が子のように大事に思いました。
子供を通り越してまるで孫を見るようなやさしい目をしていたかもしれません。
旦那さんと2人で、1ヶ月ほどかけて楽しくおいしくいただきました。
最後の1杯の、あのいつものおいしさにお別れというちょっぴり切なさを含んだ味はなかなか忘れられませんね。
漬けていた梅は梅漬けに変身できると知って、塩水に1ヶ月ほど漬けてみたんです。
失敗するかなー、でも初めてだし、失敗したらそれはそれで勉強ってことで!と、軽い気持ちでときどき冷蔵庫から出しては様子を見ていました。
首を長くして待ちに待った1ヶ月後。
充分おいしく食べられる梅漬けに育ってくれて、感無量です。
味は本当にシンプルで、シロップ漬けしていた時の砂糖の甘さと塩味が程よくて、好みのタイプの梅漬けでした。
エキスが出切っていて、しわくちゃで可食部が少ないものがほとんどでしたが、1粒も無駄にせずおいしくいただけて大満足です。
さて、最後の1粒を食べた後に残った漬け汁。
ただの塩水のままかと思いきや、梅の味と香りがうつっていておいしかったんです。
ただ捨ててはもったいなさすぎる。
これを使わぬ手はないな。
ということで、たたいたきゅうりに和えてみました。
う、うまい……!うまいぞ!
爽やかな甘じょっぱさがクセになる一品だ。
大成功です!
梅仕事。
最後の1滴まで存分に楽しむことができて、初めてにしては予想を大きく上回るほどの上出来具合だったと思います。
なにぶん不器用なのと、もともと完璧主義なところもあって、新しいことに挑戦することにとっても勇気がいるほうなのですが。
不器用だからと何でもかんでもあきらめず、自分が心地よく挑戦できる範囲で無理なくトライしてみることで、出来ることが少しずつ増えていく。
軽々となんでもこなしちゃう人と比べると、苦しい部分も多いかもだけど、それすらもきっと楽しんだもん勝ち。
完璧を求めて変に気を張りすぎたりせず、失敗してもそれはそれとして受け止めよう。
そう思えるようになったことで、今まで自分自身で上げていた挑戦のハードルがだいぶ下がったように思います。
それがとってもうれしいです。
今回梅仕事をやってみて、改めて本当に楽しかったし、モノづくりのおもしろさや奥深さみたいなものも少し知ることができました。
来年も梅仕事に挑戦したい。
そう強く思っています。
はじめての梅仕事、めでたしめでたし。