こんな人生も、パ・マル
次は何を観よう。
「失恋めし」という、一味変わった飯テロドラマを観終わった。
心の中で拍手をして、余韻も充分に楽しんだ後、私はふたたびAmazonプライム内をふらふらと徘徊した。
目に入ったのは、「シェフは名探偵」。
以前テレビで放送されていたとき、珍しく私よりも旦那さんの方が楽しみに観ていて、そういえば途中1話見逃してしまった私は、そこで離脱していたことを思い出す。
この機会に、改めて最初から観ることにした。
お客様のお一人お一人が抱える苦悩や悩みにそっと、ときには少し強引に触れ、その先の一歩を踏み出すきっかけをくれるようなシェフの優しさに、心がぽっとあたたかくなる。そんな作品です。
この作品は、「解決」というより「解きほぐす」という表現のほうが近いと思います。
「名探偵」とあるので、ビシッとバシッと解決するといったそんな感じを想像してしまいそうですが、「人とのつながり」や、「思いやる心」など、人としてのやわらかくあたたかい部分を改めて優しく教えていただいたような気がしています。
以前に購入してまだ読んでいなかった本の中に、このドラマの原作となった作品の作者、近藤史恵さんの本があることを思い出し、読んでみました。
「みかんとひよどり」という作品です。
ジビエ料理が題材となったストーリーで、料理人と猟師が主な登場人物です。
お世辞にも器用とは言えない二人。
料理に対してもそうですが、その料理を作るための素材、命に対する敬意や責任感、感謝、大切に愛おしく思う気持ちなどが一切の混じりっけなく、ストレートにずどんと伝わってきます。
「目を逸らすわけにはいかない」
狩猟について行きたいと志願した際の、料理人の心の中の言葉です。
こんなふうに思い、行動できるのも、心からの愛情や覚悟があるから。
お恥ずかしい話ですが、
正直、今まで何度も、見たくないものから目を逸らしてきた私の心にグサリと刺さり、少しの間その一文から目が離せなくなりました。
表情や言葉、行動や思いなど、滲み出る本当のやさしさに教えていただくことがたくさんで、苦しいほどにあたたかい気持ちでいっぱいになります。
「ジビエ」と聞いて、私のように慣れていない方はちょっと敬遠してしまいそうな内容ですが、ぜひ読んでみてほしいです。
ちなみに
タイトルにあります「パ・マル」は、シェフが働くお店の名前で、フランス語だそうです。
この言葉にまつわる、心温まるストーリーも見どころのひとつです。意味は劇中に出てきますので、気になったらぜひ観てみてください。
この人生も、パ・マル。
そんなふうに思える人生を、これからも愛する人たちと一緒に過ごしていけたらいいな、そんなふうに思っています。
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