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2023年10月19日 22:25
ここの水はいつでも透き通っている。この川はわたしの住む集落に流れているあの川に似ている。けれど、それよりももっと大きくて深い。ここの川には多分車で数回は落ちている。1度目はなんとなく覚えている。もっともっと下流の方だったので、川幅はかなり広くなっていた。道路から川へと続く芝生の土手を、古いガードレールを突き破りごろんごろんと転がった。いつも落ちないと安心したところで落ちているような気
2023年8月15日 21:38
わたしはデパートに来ていた文房具の名前がつらつらと書かれた紙を持ちながら母と買い物をしていた5階建てくらいのデパートだったと思うフリースペースの様な所に本棚があって、その辺りを歩いていた時、自分の背の高さほどの胴をした大きなヘビが静かに本棚のあちら側をノロノロと進んでいった多くの人は叫びながら蛇と反対の方向に逃げていったわたしは「どれほどの長さなのだろう」と考えていた母は驚
2023年7月15日 19:12
(2022.06)わたしは小学校の時の同級生たち十数人と少し遠方へ旅行に来ていた。宿はなだらかな山地の七合目ほどのところに建てられたペンションで、周りには草木や花が美しく茂っていた。深夜になると満点の星空が見られるらしく、「真夜中になったら散歩しに出てみよう」と言う事になっていた。私たちはお風呂も夕飯も済ませ、ペンションのリビングで昔話をしたりテレビを見たりして、その時間を待った
2022年9月21日 00:05
何だかどうしようもなくなると一人になった時に涙が溢れると言うのが幼い頃からたまにあるけれどその度に「涙が出るのは救いなのだ」と実感する
2023年3月29日 20:27
拳銃で頭を打って死のうとしたのはこれで2回目だった一発撃ち込んで死ねなかったので二発目を撃ったらしい記憶があるのはその二発目を撃った直後からだった頭に二発も撃ち込んだのにわたしは死んでいなかったただ、砕かれた頭蓋骨の中は温かいもので満ちていていつもとは違う感覚だった少し経って穴の空いた所から真っ赤な血液がツーっと垂れた拳銃なんて実際にはメディアでしか見たことがないか
2023年3月23日 12:08
とうとうあの野良猫は頭がおかしくなってしまったらしいザーザーと雨が降っているその野良猫とは向かいの家の軒下に住み着いている灰色の猫だこれからご飯をくれるおばあさんの所へでも行くのだろう軒下からスルリと出てきて、北へと向かった雨なのに珍しい猫は雨の中、逆立ちをして歩いていった初めは少しヨタついたものの、それからは何とも器用に進んでいった僕は気になって、家から頭を出し頭
2022年12月21日 22:56
ショッピングモールの角にある小さなレストランは祖母の友人であるオリバさんのお店で3人しか並べないほどの小さなキッチンがある他の店の外観はショッピングモールにふさわしいものばかりだったのにそのレストランだけは、そこに似合わず森の奥にひっそりとありそうなもので、何度行っても心が躍った小さな頃からよく祖母に連れられて来ていて、足を運ぶたびに壁にはった蔦や植木が成長した姿をみれる事も楽しみにし