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HSP母が気付いたHSC息子の発達障害〜敏感な子育て記録〜



1.はじめに(自己紹介と目的)

はじめまして。私はHSP(Highly Sensitive Person)という敏感気質を持つ母、マメと申します☺︎
ひとり息子のマコトはHSC(Highly Sensitive Child)であると同時に、複数の発達障害の診断を受けています。

発達障害+HSCへの理解と支援の重要性

発達障害の特性とHSC(ひといちばい敏感な子)の気質を併せ持つ子どもは、その敏感さゆえに特有の困難を抱えることがあります。このような場合、発達障害単独の情報やHSCへの対処法だけではカバーしきれないリスクが存在します。

特に、HSCは敏感さが強いことで、空気を読み、周囲への気付きが多いことで、より不安感や感覚過敏にも影響があります。3歳という低年齢で深刻な二次障害に繋がった息子の子育て経験から、そのリスクが高まることを実感しています。しかし同時に、このような子どもたちの特性に適した支援方法を取り入れることで、安心感を育み、自己肯定感を取り戻すことができるとも感じています。

noteでの発信を通して、発達障害とHSCが重なる場合の特性やリスク、そしてそれに対処するための具体的な方法について、私と息子の経験をもとにお伝えします。同じような悩みを抱える方々にとって、少しでも希望を持てるきっかけになれば幸いです。
また、その他には以下のようなトピックと、その関連する内容を記事にしていきます。

【 幼児期 】
• 発達検査・知能検査(新版K式・WISC・KABC-II ・ バウムテスト等)
• 療育手帳(メリット・デメリット)
• 特別児童扶養手当(申請時に知りたいこと)
• 公立幼稚園での常時付き添い(加配との違い)
• 児童発達支援
• 作業療法と理学療法(感覚統合療法・ボイタ法)
• 療育園での毎日の療育
• 音楽療法(2歳〜13歳現在)

【学童期】
◾️校内付き添い・スクールカウンセリング
◾️特別支援学級(メリット・デメリット・通級との違い)
◾️合理的配慮について
◾️ホームスクール(小1冬〜卒業)
・オンライン学習方法(Zoom・Youtube・学習サイト)
・自分の好き・得意を極める学び( 写真 / プログラミング /ドラム )
◾️放課後デイサービス(LITALICOジュニア他)

中学生(現在) 】
◾️角川ドワンゴ学園 N中等部・オンラインコースでの学び
ゲーム制作や動画編集など、自分のペースでの学び
※N中等部は一条校ではないため、公立中学校に在籍しています。


2.私の敏感さと育児への影響

メリット: HSPの特徴が育児でどのように活かされたか

私自身、子どもの頃はHSPの気質によりデメリットが目立つことも多かったのですが、子育てにおいては、この気質が大きな助けになったと感じています。特にHSP特有の「本質を見抜く力」は、息子の育児において重要な役割を果たしました。

【 発達上の課題に早期に気付く力 】
乳幼児健診では特に問題視されなかった息子の発達特性に、日常生活の中で早く気付けたことは大きなメリットでした。その結果、2歳から感覚統合療法を開始し、適切なフォローを行うことができました。息子はHSCとして敏感で、周囲への配慮から困り感を目立たせないため、専門家の間でも「先天性の問題ではない」と見なされることがありました。それでも、私は息子の特性を正確に理解するために診断を求めました。

【 診断を受ける決断と支援の選択肢を広げる 】
診断を受けることには賛否があることを理解しています。しかし、敏感なHSCの息子だからこそ、必要な支援を受けるために診断が不可欠だと感じました。この選択により、療育園や支援学級といった選択肢が増え、真面目でヘルプを出すのが苦手な息子にとって大きな助けとなりました。

【 環境を整える力 】
小学校では、息子の敏感さを考慮し、不登校ではなくホームスクールという選択を早めに取り入れました。この決断により、安心して自分のペースで学べる環境を整えることができました。また、完全に学校と距離を取るのではなく、自分で決めた週2時間の限定登校を続けることで、息子は達成感を得ながら卒業を迎えました。これは、息子が自分の意志で行動し、自信を持つための重要な経験となりました。

デメリット: 敏感さゆえの困難

敏感さが育児に活かされる一方で、気付きが多い分、心身ともに疲れてしまうこともあります。特に、息子の些細な変化や表情に気づいてしまうと、それに対応しようとするあまりエネルギーを使い果たしてしまうことがありました。また、せっかく考えた問題解決策をやり遂げられなかったとき、自分を責めてしまうことも少なくありませんでした。
それでも、こうした困難を見つめ直すことで、少しずつ自分を許す術を学びました。

解決策: 困難を乗り越えるための工夫や視点の変化

敏感さゆえの困難を乗り越えるために、いくつかの工夫を取り入れています。
まず、自分に課しているタスクを減らし、完璧主義を手放すことで、心の負担を軽くしました。具体的には、TODOリストを作成し、優先度の高いものだけに集中するようにしています。また、視覚的に情報を整理するため、モチベーションを保つためのメモやポスターをリビングに貼ったり、タスクごとの進捗をチェックリストで管理するようにしています。
さらに、心身のリフレッシュを目的に、週末には息子と森林浴に出かけたり、寝室を常に快適に保つよう努めています。これらの工夫により、息子と向き合う時間をより大切に感じられるようになりました。

3. 敏感さとともに生きるために

HSCや発達障害に限らず、すべての人が自分の脳の特性を早い段階で理解することは、その後の人生に大きなメリットをもたらすはずだと感じています。自分自身を深く理解し、「どのような道を選び、どのような環境で過ごすのが自分に適しているか」を考えることは、「好きな自分」で生きていくための第一歩です。

脳の個性を理解することの重要性

脳の特性はグラデーションであり、診断の有無に明確な境界線はありません。特にHSCのお子さんを育てている親御さんにとって、自閉スペクトラム症(ASD)やADHDについて知識を深めることは、多くのメリットをもたらします。
これらの対処法や支援の方法が、HSCの特性を持つお子さんにも非常に有効だからです。特に、息子の例を見ても感覚の過敏さによる影響は不安感にも繋がると感じるため、なるべく早い対処が望ましいです。

「感覚処理の偏りは、HSCの特徴として見られることがあり、発達障害の支援策がHSCの子どもにも応用できる場合があります(本田, 2018)。」

『発達障害の子どものための心が軽くなる子育て』本田秀夫

HSCの能力が発揮しやすい時代へ

敏感さは、次世代でより大きな価値を持つ特性となるでしょう。AI技術の進化により、溢れる情報の中で「本質」を見抜き、創造性を発揮する能力がますます求められる時代が訪れています。敏感さを持つ人々は、真実を見抜く力や他者の感情を深く理解する力を活かし、新たな可能性を切り開くことができるはずです。

4. 敏感さを活かすためにできること

改めてこの記事を通じてお伝えしたいのは、敏感さや特性は決して弱点ではなく、それらを理解し、活かすことで大きな力になるということです。子どもの敏感さを「困りごと」と捉えるのではなく、その特性を深く知り、適した環境や方法を提供することで、可能性を広げることができます。

1. 自分や子どもの特性を知ること
適切な選択が可能になります。たとえば、感覚過敏への配慮や、不安感を軽減するための具体的な工夫(見通しを立てるなど)が役立ちます。

2. 環境を選び、調整すること
敏感な特性がポジティブに働くには、その子に合った環境が重要です。子どもは自分で環境を選ぶことができないため、親が適切な環境を整える必要があります。集団生活では、個々の特性に合わせた工夫が必要であり、これは「性格的な問題」ではなく、その子にとっての合理的配慮であると理解することが大切です。これらは息子を校内で付き添った経験の中で、多くのお子さんの様子を見ながら感じたことです。

3. 他者とのつながりを大切にすること
特性を活かすには、周囲の人々との理解し合える関係が欠かせません。同じ悩みを持つ親御さんや専門家とつながることで、孤立感を防ぎ、安心感を得ることができます。特に、支援グループやオンラインコミュニティは、多くの実践的なアドバイスを得る場として有益です。

ぜひ、敏感さを力に変える第一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです..!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました🙏✨


【参考文献】  
アーロン, E. N. (1996). ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。  
本田秀夫 (2018). 発達障害の子どものための心が軽くなる子育て。  
Aron, E., & Aron, A. (2012). Sensory Processing Sensitivity and Its Overlap with Autism Spectrum Disorders.
日本特別支援教育学会 (2020). 特別支援教育のための合理的配慮




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