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採用面接でクレームを減らす方法

先日の採用面接で不快な思いをしたので
御社の選考を辞退します‼

これは実際に相談を受けたクレームで
人事担当者の頭を悩ませている問題の一つです。

例えば、多くの企業では
以下のような背景を抱えています。

・人手不足(面接者も不足)
・採用予算のカット(ツールはアナログ)
・急場で面接者を育成(教える時間も足りない)

業績も特に悪いわけではない。
しかし、人手不足が深刻で、これ以上社員が減ると
業務が回らないから困ってる…

このような企業様はたくさんいます。

私はこの相談を受けた時、
「新しい面接者へ引き継ぎはしましたか?」
「それはどのような内容でしたか?
とお聞きすると…

大抵の返事は、採用面接を始める前と後の
運用面の引継ぎが大半でした。

肝心の面接の中身はというと、
「評価項目に従って、良い感じの質問をしてあげて」
くらいしか無かったそうです。

「すぐに面接者のトレーニングを実施しましょう」

こうしてトレーニングに必要な情報を
取りまとめるという話へ移行しました。

本日は、この時の事例を元に
採用面接を実施する側の心構えと
新任の担当者へのフォローをどうすれば良いか?

これらの話をしていきたいと思います。

もし、内容がためになったという方は
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他の記事も読んでみたい!そう思っていただいた方は
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ぜひよろしくお願いいたします。


1.なぜ、採用面接者にはトレーニングが必要か?


早速ですが、あなたはなぜ採用面接には
トレーニングが必要なのか、わかりますか?

私が考える根拠は
3つありますので、順番に説明します。

これまでの記事で何度も説明していますが、
採用面接には以下の2つの役割があります。

①見極める
②惹きつける

一つ目の理由ですが、
見極めにおいて、ポイントを押さえずに
面接をすると以下の懸念が発生します。

・自社に必要な人材が見つからない
・いわゆる「地雷社員」を見抜けない
・ミスマッチによる早期退社の懸念がある

だから、しっかりを見極める基準を
人任せ(属人化)にせず、人事側で基準を定めて
見極める方法もある程度、共有をしておくと
採用面接の品質にばらつきが出ずに済みます。

二つ目の理由は、
トレーニングをせずに採用面接を行うと
惹きつけに関して、以下の懸念が発生します。

・求職者へ「面接者によって差がある」という
 ネガティブなイメージを与える可能性
・求める人物像に個々のイメージが入り、
 訴求内容にばらつきが発生する可能性
・自社の魅力を言語化して共有していないため
 面接で求職者へ上手く説明できない

更に、三つ目の理由が問題で、
最悪のケースは以下の通りです。

・知識不足のためにNGワードを話してしまう
・求職者への応対が悪く、クレームに発展する
・求職者にネガティブなイメージが伝わってしまい
 ブランド価値が低下する

このような事態に発展することを防ぐため
採用面接を担当する方には事前に
トレーニングを実施することをお勧めします。

なお、採用面接でうっかりNGワードを
言わないようにするポイントは
以下の記事をご参照ください。


2.属人化を避ける面接(構造化面接)とは?


前回の記事で
私が推奨する構造化面接の説明をしました。

以下にその記事のリンクを張っておきますので
未読の方は先に読んでいただくと分かりやすいです。

この中でもご紹介しましたが
やや点でご説明した節がありました。

そこで、ここでは
面接者を教育するという目線で
情報を整理したいと思います。

まずは、前提情報として以下の内容を
最低限、情報共有を行いましょう。

____【前提情報の共有】____

①求める人物像(ペルソナ)
②MUSTとWANTの説明
③どのような採用活動をして
 どのようなメッセージで集めてきたのか?
④トレーニングの目的の共有
⑤NG質問等、採用面接の基礎知識

__________________

この部分の話を聞いていないと
構造化面接の前提条件として
「属人化を防ぐ」
という目的は果たされません。

次に、構造化面接の流れを説明します。
細かい説明は前回の記事をご覧ください。

___【構造化面接の流れ】___

①事前準備
②アイスブレイク
③定型質問
④行動ベースの質問
⑤自社の説明
⑥質疑応答
⑦評価とフィードバック(面接後に実施)
____________________

ここでは

①なぜ構造化面接を選択したのか?
②何の情報を面接で得たいのか?
③どのようにして情報収集するのか?

この、Why、What、Howを
①⇒②⇒③の順序で説明をしてください。

最後に
評価基準の考え方
評価シートの記入方法を説明します。

では次の章では、
具体的に用意したトークスプリクトで
どのような部分をトレーニングするのか?
確認していきましょう。


3.何をトレーニングするのか?その効果は?


再度、構造化面接の流れを記載します。

___【構造化面接の流れ】___

①事前準備
②アイスブレイク
③定型質問
④行動ベースの質問
⑤自社の説明
⑥質疑応答
⑦評価とフィードバック(面接後に実施)
____________________

この章では、この流れに沿って
AIが考えたトークスプリクトの
見本をみていただきたいと思います。

(あえて手直しはせず、
 ほとんどそのまま残しました。)

一般化し過ぎてやや具体性に欠けますが
雰囲気はこれで伝わると思います。

具体例:トラックドライバーの採用面接

【背景】
・運送業で人手不足のためドライバーを募集
・中途採用面接を実施する場合のスプリクト
・安全に対する意識が高いことがMUST条件
・長距離運転も可能な人がWANT条件

____【採用面接スプリクト】____

①事前準備

・応募者の履歴書と職務経歴書を事前に確認
・面接の流れと質問の確認

②アイスブレイク

面接者「こんにちは、〇〇さん。
   本日はお時間いただきありがとうございます。
   まずはリラックスして、お話しましょう。」

応募者「よろしくお願いします。」

面接者「最近は寒い日が続きますね?〇〇さんは
    最近、風邪とかひかれませんでしたか?」

③定型質問

面接者「それでは、ドライバーとしての
    経験について、いくつかお伺いします。」

1.「どのような種類のトラックを
  運転されてきましたか?」

2.「長距離運転と短距離運転の両方を
  経験されていますか?」

3.「〇〇の資格をお持ちですが、
  実務経験はどのような内容か
  お聞かせてください。」

④行動ベースの質問

面接者 「次に、具体的な状況でどのように
    対応されたかについてお聞きします。」

1.「過去にトラブルが発生した際、
 どのように対処されましたか?
 具体的なエピソードを教えてください。」

2.「時間通りに配送するために
 どのような工夫をされていますか?」

3.「危険な状況に遭遇した場合、
 どのように安全を確保されますか?」

⑤自社の説明

面接者「ここからは、
    私たちの会社についてお話しします。
    〇〇株式会社は...」
(会社の概要やビジョン、業務内容等を説明)

応募者「なるほど、ありがとうございます。」

面接者「当社では、安全運転を最優先に
  考えており、従業員の健康と福利厚生にも
  力を入れています。具体的には…」
(安全対策や福利厚生等を説明)

⑥質疑応答

面接者「ここまでで何かご質問や
    気になる点はありますか?」

応募者「はい、いくつか質問があります。
    まず...」

⑦評価とフィードバック(面接後に実施)

・面接終了後に応募者の評価を記入。
・強みや改善点、適性を評価シートに記載。

_________________

質問内容は現場マネージャーと相談の上
予め設定しておき、その流れに沿った
トークスプリクトを用意して
面接者に練習をしてもらいます。

出来ればロールプレイング形式
人事で現在担当している面接者が
フィードバックしてあげてください。

なお、AIへの質問内容は以下の通りです。

以下の構造化面接の流れに沿って、トラックドライバーにおける採用面接の質問内容を考えてください。面接時間は60分で、これは面接官への教育用資料なので、トークスクリプトの形式でお願いします。
___【構造化面接の流れ】___
①事前準備②アイスブレイク③定型質問④行動ベースの質問⑤自社の説明⑥質疑応答⑦評価とフィードバック
___【求める人物像】___
must条件:安全意識の高い人、want条件:長距離経験がある人

AIへの質問文

前回の記事でもお伝えした通り、
ここで大切なことは予め考えた設問が
MustやWantの見極めに直結しているか?

企業側から情報提供する内容が
求職者を惹きつけるものになっているか?

これがポイントです。
AIには、その辺のヒントになる情報を
どんどん追記して聞き直すと
数回の質問でトークスプリクトが完成します。

もし、上記の質問では抽象度が高い、
見極めが難しいと感じていただけたら、
あなたは採用面接の経験者だと思います。

③~⑤の質問をより洗練化して
その質問の意図も含めて面接者へ教え、
トレーニングを重ねてください。

そうすると、トラブルがなく
統一感のある採用面接へ変わります。
また、求める人物像に近い人を
採用できる確率がグンと上がります。


最後までお読みいただきありがとうございます。

新卒採用では、面接が始まる企業もあれば
通年で中途採用を実施している方も
おられると思います。

この方法は、新卒、中途にかかわらず
採用クレームを減らし、
ブランド価値を損なわない面接を
人のスキルに頼らず、標準化できることを
目的に作成したものになります。

まだまだ、AIの精度も低いため
専門家を巻き込む機会もあるかもしれませんが
可能な限り、工夫して内製化することで
コストをかけずに構造化面接を作成する
参考になれば幸いです。


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