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”コミュニケーション能力”って、どういうこと?〜人材要件の定義とは〜
こんにちは。今週のnoteです。
前回のnoteの中で、アトラクト採用のキホンとして、求める人物像といった「人材採用の要件定義」が起点だよね、という話をしました。この話について、少し掘り下げてみたく。
そもそも、人材要件を”定義する”ってどういうこと?
定義とは、概念の内容や用語の意味を正確に限定することであり、誰であっても認識のズレなく理解ができる明示のことです。
例えば、「赤い果物」と言えば、イチゴやリンゴ、さくらんぼなど人によってブレが出てしまいます。だけど、赤くて表面に小さな種がたくさんある果物と言えば、間違いなくイチゴになります(もしかしたら、他にも連想される私の知らない果物があれば教えてください)。
このような連想ゲームで誰もが同じ解答になるように、質問の解像度を上げることに似ています。これを採用活動において、自社がどのような人材を求めているのか?を具体的に表現するものが人材要件の定義です。
”コミュニケーション能力”って、一体なんなんだ!?
採用シーンでは、今でも曖昧な言葉で人材要件が表現されています。その代表格が、企業が求める能力のNo.1に挙げられることの多い「コミュニケーション能力」。
このコミュニケーション能力という表現、とても厄介なもので。そもそも、事業内容や職種、関わるメンバー、期待する役割などによって、コミュニケーションと一括りにされる言葉の中でも、かなりブレ幅があるはずなのですが、「コミュニケーション能力」とあいまいで抽象的な言葉を使った瞬間に、輪郭がまったく分からないボヤッとしたものになってしまいます。
コミュニケーション能力は一つの事例ですが、そういったものを反映した良くない例の求人表現は、こんな感じです。
<求める人物像>
・大卒程度の基礎的な学力のある方
・コミュニケーション能力のある方
・未経験なことでも取り組める前向きな意欲のある方
全く、何を求めているのか分からない・・・。でも、いまだに実際に存在するんですよね(汗)。
買い手優位の大量母集団が形成できる前提の時代であれば、多くの中から選ぶことができたので、これでも良かったのでしょう。ですが、売り手の時代になれば、あいまいな表現は逆に求職者には刺さりません。もしかしたら、求職者に「求職者のことを考えてなさそうだな」「未熟な会社っぽいな」と見られてしまうかもしれません。
あいまいな採用要件の”解像度”を上げる
採用要件は、現場からのリクエストで出てくることが多いと思います。それを採用人事がフィルタをかけることなく、そのまま要件として設定して、求人で表現をしているとすれば、ちょっと待った!です。
現場の人たちも採用のプロではありません。難易度の高いスーパーマンのような要件を言ってこれらるケースもあれば、あいまいな要件もあります。それを採用マーケットの状況や会社として目指す方向と照らし合わせて、チューニングをするのが採用人事としての腕の見せ所です。
「なぜ、この人材要件が必要なのか?」
「この要件が必要な背景は何なのか?」
「具体的にどのような仕事をイメージしているのか?」
「入社する人材には、どのような期待をしているのか?」
「採用ではなく、入社後の教育で置き換えられる要件はないか?」
など、解像度を上げて具体化していかないと、そんな人材は採用マーケットにいないのに理想ばかり追い求めてしまったり、どこにアプローチすれば良いか、対象となるターゲット人材がいるのかどうか?も判断ができませんよね。
また、上記のような掘り下げが甘いと、ターゲット外の応募も増え、採用活動全体の効率も悪くなります。ひいては、入社後の採用ミスマッチも生まれやすくなります。
「応募者の質が悪いんだよね・・・」とか、「どうしてこんな人材を採用したんだ!」と嘆くケースの多くは、企業側で人材要件があいまいであることが、根っこの原因です(結果的に外部に発信している求める人物像もあいまいになっている)。
”大量母集団主義”は捨てましょう
学生や転職者問わず、求職者にとって「求める人物像」はとても気になるコンテンツの一つですが、残念ながらこれがあいまいだから、セルフチェックもできずモヤっとすることが多いのでは?と思います。
特に社会人経験のない学生さんやまだ経験の浅い第二新卒の方だと、あいまいな表現では想像さえもできません。個人的な肌感では、「欠員中途<増員中途<第二新卒<新卒」の順番であいまいで、抽象度が高くなりがちな印象です。
ただ、逆に言うと、企業側がしっかりと求める人材を固め、それを解像度高く発信することができれば、それに対して自分がマッチしているかどうか?の判断ができ、自社にマッチしている人の志望度は高まります。
良くあるのは、「最初から絞り込むことになるので母集団を減らすことになるのは怖い・・・」と言う話も受けますが、気持ちはわからなくもないのですが、その発想がすでに旧来の大量母集団主義に捉われてしまっている、とも言えます。
アトラクト採用の時代では、最初から「引き上げて、落とさない!」がキホンです。企業側の都合良く、選べる、志望度を上げていけるわけではなく、候補者に合わせた1on1の対応にどれだけ寄り添えるか?という発想に切り替えていくことが必要です。
”求める人物像だけを話す企業説明会”のススメ
個人的にオススメしたいのは、「求める人物像だけを話す会社説明会」の実施です。(新卒採用がメインになるかもしれませんが)
ただし、この会社説明会を実施できるのは、つまるところ自社の採用要件が明確な会社だけになります。
ですが、人材要件が明確であれば、求職者が関心の高い内容である「求める人物像」の解説をしつつ、では、なぜこのような人材が必要なのか?といった背景を経営・事業の視点から掘り下げ解説をしたり、現状の組織の課題などを伝えつつ、かなり理解度の高く、興味深いコンテンツが作れるのではないかと思っています。自分のことをメタ認知できていない可能性もあるので、価値観や志向性を発見するワークショップなどもセットできると、合う・合わないがその場で見つけられて最高です(何を説明するのか?という目的を決めて、エッジを立てた方が、人も集めやすくなるのでは?)。
一般的に良くある「会社説明会」という表現だと、これ自体もコンテンツとしてあいまいですし、会社の表面をなぞるような総花的な内容になって、あまり印象にも残らないケースが多いので、あえて、こういったエッジを立てたコンテンツをやるぞ!と決めることで、自社の要件を明確にする腹決めをするのも一手かもしれません(多少強引にでも)。
マッチングは、お互いの正しい理解が前提だと思っています。
世の中から少しでも採用ミスマッチが減ることを願って。
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