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#8 【書評・感想】ひとことで整える(堤藤成著)

1.はじめに

「自分らしさ」ってなんだろう…?

おぼろげに輪郭は見えていても、ひとことで表現するとなると言葉に詰まってしまう人が多いのではないでしょうか。

何を隠そう、まさに自分がその一人。

強み・特徴をなんとな〜く分かっているけど、上手く言い表せなくてモヤモヤ…そんなしっくりしない感覚がありました。

でも大丈夫。本書を読めば、そんな問題もスッキリ解決します。

キーワードはズバリ…「お寿司」

お寿司とコピー化、ちょっと気になりませんか…?

ぜひチェックしてみてくださいね。

本書は、著者の堤藤成様からご恵贈いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。

2.本の概要

株式会社電通でコピーライターとして従事されていた著者による、「コピー化」の説明本です。

「コピー化」と聞くと、以下のようなものをイメージされるかもしれません。

✓ コピーライターの仕事
✓ コピーライティングの業務
✓ 企業のブランドイメージづくり

しかし実際には、「自分らしく生きたい」個人にピッタリな1冊でした。

詳しくは、次の項目で解説していきます。

3.学びのポイント

本書を読んで学んだポイントは、以下の3つです。

1.なぜコピー化が必要なのか
2.コピー化とは何か
3.コピー化の具体的なやり方

1.なぜコピー化が必要なのか

結論としては、「自分らしく、幸せに生きるため」

ベクトルが分かる → 向かう方向が定まる → 努力を続けられる

この順番です。

たとえば「文章を書いて人を動かしたい」と考えている人がいるとします。

おそらく彼(彼女)は、人と会って接して話したり交渉したりすることでは輝けない。本を執筆したり、ブログを書いたりする方が良いでしょう。

大事なのは、自分らしさのベースである「存在意義=パーパス」

少し壮大に聞こえるかもしれませんが、コピー化は「自分らしく生きる」ために必要なことなんですね。

2.コピー化とは何か

では「コピー化」とは何か。

本書を読む前は「言語化」との違いがピンと来なかったのですが、本書を読んで疑問が氷解しました。

あくまで自分なりのイメージですが…

常に使える状態にしておくこと

こんな感覚がイメージとしてピッタリだと思いました。

コピー化に至るまでには、傾聴・内省による「見える化」からスタートし、言葉として紡いでいく「言語化」というプロセスが必要です。

でも単に言葉にしただけではインパクトが弱いし、受け手にも伝わりにくい。ミッション・ビジョン・バリューの3要素も同様です。

銃弾は持っているだけでも駄目だし、ピストルに装填しただけでも駄目。

大事なのは、0.1秒で引き金を引けること

物騒な例えにはなりますが、「すぐに動けること」こそ、コピー化の大きな武器ではないでしょうか。

3.コピー化の具体的なやり方

コピー化は「FOCUS法」に従って行います(以下5つの頭文字より)。

Find(ネタ探し)
Open(調理)
Choose(握り)
Update(盛り付け)
Share(実食)

この例えが寿司作りそのもので、とても印象に残りました。

本項目のポイントは、筆者がクライアントを支援した体験談をベースに詳しく解説されている点にあります。

事例としてコーチング事業を展開しているZAPASS社で行ったコピー化が挙げられていますが、具体的に投げかけた問い・帰ってきた回答まで事細かに書かれています。

FOCUS法を実践したい方でも、安心して取り組めるはずですよ。

4.本書のレビュー

本書の推しポイントは、以下の2つです。

1.寿司を例にした切り口が新鮮
2.企業や個人の実例が面白い

1.寿司を例にした切り口が新鮮

日本人に身近な「お寿司」を例に使いながら解説している点が、とても新鮮かつ印象的です。

たとえばコピー化のヒントとして、寿司との共通点になぞらえて、以下の3つが紹介されています。

①おいしいこと
②素のままであること
③志があること

自分の中にある素材そのままを、相手にメリットがあるようにコピー化し、未来につなげる。この考え方にはお寿司とも共通点がありますし、思わず膝を打ちました。

これ以外にも冒頭に「自分をお寿司のネタにたとえると?」というワークがや、コピー化の指針となる「SUSHIチェックリスト」も準備されています。

気になる方は、ぜひ本書をチェックしてくださいね。

2.企業や個人の実例が面白い

第四・五章には、「コピー化」の事例が多数紹介されており、実践にあたって大いに参考になるパートです。

たとえば目薬のイメージが強い「ロート製薬」。現在では再生医療の分野にも注力しています。

となれば、必要となるのがリブランディング。

プロはどのようにコピー化するのか?その思考の裏側を覗き見でき、大変興味深かったです。

また第五章は、著者と受講者のトーク形式でコピー化のプロセスを体感できる貴重なセクションになっています。

ぜひ実例を参考にしながら、自分でコピー化を実践してみましょう。

5.まとめ

本書を読んで、もっとも印象に残った一節がコチラ。

夢というと、達成するまではずっと追い求めている感覚を受けるのではないでしょうか。しかし自分らしさをコピー化した「存在意義」であれば、今この瞬間から意図的に感じられるものなのです。

【出典】『ひとことで整える』P.51

内面と向き合って見える化し、言語化より高次元のパーパスを見つけることで、未来へ向かうベクトルが明確になります。

生きるチカラが自然と湧いてくるって、とてもステキなことですよね。

「コピー化」には、不思議なパワーがあります。

ぜひ本書を読んで、その効果を体感してください。

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