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若手社員は意志がないのではない!『最適解を探している』:指示待ちvs.意志待ち#1

こんにちは。働くことを面白くする「おもしろ仕事コーチ」の堀井です。

私がこれまでにご支援したり、対話をして気づいた、企業組織にある【指示待ちvs.意志待ち】の構造を、あらゆる角度から紹介していこうと思います。

この【指示待ちvs.意志待ち】はあらゆるシーンで登場します。

指示待ち新人/意志待ち上司
指示待ち営業/意志待ち顧客
指示待ち現場/意志待ち本部
指示待ち中間管理職/意志待ち経営幹部

今回第1回目は若手・新人にフォーカスしてみます。特に提案したいのは、若手社員が一歩踏み出せないのは意志がないからではなく、最適解を探していることです。

2021年の新入社員と対話し分析したこの事実を眺めることで、関わり方の変化や、心の荷が下りる感覚がお持ちいただけたらと願っています。

最適解を探す新人・若手の現象

グロービスさんの2021年に行った調査によると、新入社員が早期に活躍するために必要な能力のトップ3は

1位コミュニケーション能力(71%)
2位自律性(59%)
3位チャレンジ精神(52%)

となったようです。簡単に言えばコミュニケーションができて自分からチャレンジする人財ということでしょうか。

一方で、2021年度新入社員750人を研修してわかった強み3つ課題2つでも書きましたが、「可能性思考」というものが【自律性】と【チャレンジ精神】を阻害してしまっている。

このことを2021年入社の新人と対話しました。そこでわかった驚愕の事実がこちら。

別にできる/できないなんか探していないです。
その場における最適解を探しているんです。
つまり、60分の会議だったら、1分の遅延もなく皆が「良かった」といえる状態を探しています。だから静かに黙っているかもしれません。

やば。めちゃ大人じゃん(横浜弁)。

ということで、おとなしい新人・若手は自分の保身のためにおとなしいのではないのです。皆のことを考えて計算に計算をした結果大人しいのだそうです。

なぜ最適解を探すのか

「そんな、新人のときから皆のことを考えるなんて無茶っしょ。」

一方で

「社会人たるもの、常に相手目線で振る舞いを考えなさい。」

はい。上司とはそうやって言い分がコロコロ変わる生き物です。それも最適解なんです。

さて、どうして最近の新人・若手は最適解なんぞ考えるようになったのでしょうか?

これには私堀井自身が十数年前に学習塾の講師をしていた経験から仮説をご紹介します。

まず、今の22〜26歳の方々は12歳:中学生から当たり前のようにスマホを持っています。そして友人とのコミュニケーション手段はLINEです。

当時よく聞いた話が「ハブられたくない」という話しでした。これは、友人同士のLINEのグループから外されることを指します。

LINEのグループから外されることは、自分の知らないところで自分への辛辣な批判が飛び交うことを意味します。このことが学校生活を営む上での最大の脅威であり、避けたいことなのです。

ではどうすればLINEのグループから外されないのか。それは場の最適解を重んじ、誰にとっても「負がない」状態に達する。言わば彼彼女にとって立派な処世術なのです。

最適解を探すから、こうなる

その処世術は当然のことながら、社会人となった彼彼女らにプリインストールされています。故に、こうなるわけです。

・上司に「ご迷惑をおかけしたくない」から相談しない
・「質問ありますか?」という呼びかけに対して、質問が他の人のニーズに合わないと迷惑だから質問しない
・意見しない、発言しないことは迷惑ではなく、むしろ意見したことで論点がずれたり時間が押すことのほうが避けたいこと

これを上司は「主体性がない」という色眼鏡で見ることが多い。

さて、それって本当でしょうか?まじで主体性がないのでしょうか?

むしろ、新人・若手はその場における主体性が高いと思います。なぜならあらゆるステークホルダーの「迷惑」を自分ごととして考えているのです。

課題は1点

その最適解は、相手のニーズを聞いた上での最適解ですか?
それとも、自分で勝手に計算している最適解ですか?

明日からの関わり方のヒント

最適解を計算すること自体を否定しないでほしい。

なぜなら、「全体最適」なんぞ、リーダー研修で耳からヘドが出るくらい聞かされるではありませんか。ですから、彼らはリーダーシップの素質がある。

支援するとしたら、

最適解の方程式に、正しい真実を代入する

そのために「周りとコミュニケーションをしようね」と促すのが良いのです。

一方で、彼彼女らに「主体性がない」「相手目線がない」「意思が弱い」など、色眼鏡で見た誤った変数を代入することは、最適解の方程式をより一層複雑にします。

…だから、余計に一歩が出なくなるのです。

アンドア 堀井悠
https://www.and-or.jp/

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