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短歌の塊

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短歌です
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記事一覧

【短歌】『おはよう!』

二十歳に名前が変わり「成人」となるこの国の唐突な夜

異臭放つ白衣を着てオーケストラの練習するみな同じ白衣

マイナンバーカード申し込み期限迫るとは誰の事かと思いしや我も該当

ひとりは最終バスひとりはⅠ台前にのるその程度の優しさは最後に残る

遠山の雪眺めつつ共通の予感を言葉にできず1時間過ぎぬ

時計は現在で針だけ8時間後に移動させ変わらぬ自分を確認す

朝、会社で「うぃーす」と言われて健康な

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【短歌】『パセリを噛んだ午後』

ひとつ読むふたつ読む詩集は限りなくある

落ちてきた天使は来た道をたどって天に帰るそこを曲がって

うすっぺらな世界と言いたくてマップを印刷したら複雑な世界が見えてしまった

無味乾燥な世界に干からびた言葉と歪んだ世界がスマートフォンに転がっていた

半歩進んだ世界を見たくて一歩を踏み出す

一歩進んだときの景色が見たくてドアを開ける

ドアを開けたら僕の後ろ姿が見えた

振動が同時並行に流れて景

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【短歌】『ハイジャンプ』

心積もりはしていたつもりなのに「いつか」は「突然」やってくる

伝統の春祭り700年間私を見続けて頂き感謝します空飛ぶ天狗にも

春雨に濡れているあなた20%の降水確率で傘を持つのに

降水確率80%では傘を持たないと決めた人生なので濡れてばかり

最後の2時間は「どうぶつの森」に没我いついなくなったの心の中から

サヨナラの時間は角砂糖午後のコーヒーに揉まれながら消えていく

サヨナラは一日の終

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【短歌】『偏食』

バトンを落とすという終わり方もひとつだ

三段跳び走者空中を3回走り着地する

今日は登坂に見える100m走予選2組

「今こそチャンスです!」だから今こそ、チャンスだ

私の言葉が不足気味なのは偏食だからだと思うことにした

「ただいま」と「おかえり」の選択が分からなくなったのも二人だから

時計をつけないことがポリシーだとしても遅刻の理由にならないと思う
#自由律俳句 #俳句 #短歌 #詩

【短歌】『中途半端通り』

サザンの音符の1音にいつつ以上の桑田さんに驚愕

遠くにヨットが夕日に消えて一番星が見るところまで二人は遠かった

そめいよしのという柔らかさにもたれかかるあなた

「最寄り駅から10分の夢」が有ります不動産

「中途半端通り」は「銀座通り」でもなく「駅前通り」でもない「中途半端通り」

月光の軽さで人は舞い上げられ踊りに出る毎夜毎夜

園芸家になって現れて枯れたカポックを生き返らせて帰っていく人

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【短歌】『貴重な文字』

想いをはせるとは自分を忘れることと気づく

強い目で仕事の矛盾をついてくる新人おり20年前の自分を思い出す

アブラゼミ鳴く季節に仕事先に出るということはハンカチ3枚は必要

シューズ履きドアを開ければ昨日までの事ドアの外

真新しいスーツに着替えて通勤電車に慣れるころ時間の拘束に気づかされる

貴重な文字の時は鉛筆で書くと君が残した文字は永久保存

ここから再スタートする地点とアプリを開いて印を

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【短歌】『行き詰まり』

人が見る四月の春と我が見る四月の春と未来の違い

赤ん坊のように数歩しか歩けないけれど行ける場所が一か所だけある

街という字は偽りでそこには誰もいなかった本当の心を持った人が

行き詰まりってこうなんだと思う仕事に出会う金曜日の夜

たちどころに気持ちが変わる人なんだと雨降りに思う

そこにいるからと言って心は彷徨っている行き場の無い沈黙
#自由律俳句 #俳句 #詩 #短歌 #一行詩

【短歌】『初めてのおつかい』

情熱の行き先を尋ねる相手は自分と思えど僕も知らない情熱の行き先

職場にいるだけで仕事と言えず仕事をしていても職場とは言えないリモート

残像だけ見つめても実像は見当たらず風に揺れるカーテンのよう

清濁を合わせてみたけれど濁だけで溢れて清まで届かない

朝の太陽は夕日になる頃光の種類を変え人はみな優しくなる

海の家に生まれ海に育ち潮の香りを胸に留めてる男なり

涼風を心の糧に生きている嵐は沖に

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【短歌】『転職したよ』

・研修は絶対におしゃべりを止めない新人と絶対に止めさせたい原人の戦い

・「中堅社員研修」は「手練手管」の強者ぞろい僕もそのひとり

・研修の成果を何で測定するのか測定できるのかいつものしがらみ

・講師に怒り椅子を蹴って出ていった「中堅社員」は戻らなかった研修と会社に

・明確な手応え無いままの20年に2000人が研修を巣立つ

・研修の目的を素早く見つけひとりで解決した社員は転職したよ

・「

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【短歌】『先カンブリア紀です』

・目標管理という不思議な査定方法で私の目標は管理されていた自分に

・数字の羅列に「品質」を求め私の年捧の品質はでデーターに眠る

・転職ごとに変わる給与システムに日本の煩雑なシステムが潜んでいる

・新入社員は一重二重と重ねられたシステムにいつ慣れるのだろう

・「貢献度」だけは自分ではなく他者への貢献が当然という単純さ

・年度で考える癖が消えてより自然になる定年後

・化石のように「あなたは

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【短歌】『ローリングストーンズ』

夢でもいいから夢がかなったら素敵だと思う現実に打ちのめされる

軸足がぶれてると言われてそっと喜ぶローリングストーンズ

空から見る夢夢から見る空に向かう旅は螺旋階段

怒涛が迫り本音を早く言わないと身にならぬとばかりに

剣のごときつらら8本が朝日に光る

北国の旅館は除雪の山を降りる

楽器に触れると音が聞こえる午後に紅茶を飲む4月

花のように部屋に楽器を飾りたい最初はビオラと決めている

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【短歌】『中堅社員』

何事も最後の3日間が無いと完成しないという君は新入社員

変化無き変化がたたずんでいる部屋は変化せず

路地猫だったかつての私の首に鈴を付けたのは誰?

三角と四角とCDで仲間外れはどれでしょうという残酷な問題

突然現れるのは梅の花と彼岸花と土産を持った同級生

「中堅社員」という意味不明のクラスに入り顔ぶれ見て納得する
#自由律俳句 #俳句 #詩 #短歌 #一行詩

【短歌】『必須アイテム』

居残りの勉強せよの親心社会に出ると必須アイテム

この街の観光目玉の科学館永久機関ありませんの文字

鉛筆で書いておけばよかったこの名前消しゴムで消せたのに

これまでに失くしたものは未練なくサヨナラさえも言わないつもり

花見ると季節は巡り歯車の動きは確かで正しく回る

振り返る時も場所も分からないネジ式時計は自分で回す

歯車がまわり始めてきたけれどできることなら逆回転させたい

『ほおずき』

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【短歌】『サボテンの汚名を返上』

何もしなくていいので簡単だと言われたサボテンの汚名を返上できる吾

園芸ショップの花の園に『たい肥』を買いに来たが『液体肥料』を勧められる

臭いもしない虫もこない液体肥料と何もしない何もこない吾の春

今年こそチューリップと思ったら球根は去年のうちに埋めなさいという無慈悲

サボテンはサボテンの針をもっと自慢していいと思う
#自由律俳句 #俳句 #詩 #短歌 #一行詩