監修…星一郎『面白くてよくわかる! アドラー心理学』
●アドラーの生涯
●その心理学の特徴
●フロイトとの違い
といったことをまとめた本。
イラストが多くて分かりやすいので、アドラー心理学初心者におすすめです。
例えば、部屋を片付けたいのに疲れていてどうしても動けず片付けられない…という場合をイメージしてみてください。
こういう場合、アドラー心理学では「片付けたくないから片付けないのだ」と考えるそうです。
「片付けたくない」というのが本心。
けれど、それを正直に認めるのは後ろめたい。
だから、「片付けたいのに片付けられない」ということにしている。
アドラーはそう分析するのだそうです。
その人の行動こそがその人の本心であり目的なのだ、と。
…このように興味深い考え方をしたアドラーですが…、この本には幾つか悲しいエピソードも紹介されています。
わたしは特に、長女についてのエピソードを読んで心が痛みました。
スターリンによる政治支配が激化し、軍の粛正が一般市民にまで広がっていた頃。
アドラーはモスクワで暮らす長女と連絡が取れなくなり、長女を見つけるため自らモスクワへ行こうと考えていました。
その矢先、アドラーは残念ながら心臓発作で急死。
その後、長女がシベリアの強制収容所で亡くなったということが判明したそうです。
親にとって、我が子を亡くすということは、病気、災害、事故、事件といったどれであろうと辛いものですが…。
よりにもよって強制収容所とは…。
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