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tama3ro
文…ジーン・ウィリス 絵…ラケル・カタリナ 訳…前田あゆみ 監修…筧裕介『わすれないでね ずっとだいすき』
大好きな孫のことを時々忘れてしまうおばあちゃん。
そんなおばあちゃんを笑顔で慰める「ぼく」。
二人のやりとりがあたたかくて切ない絵本。
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
おばあちゃんと「ぼく」は昨日会ったばかり。
なのに、おばあちゃんは「ぼく」に、「しばらく会えなかったわね」と言います。
おばあちゃんは昔のことは思い出せるのに、最近のことはちっとも思い出せないのです。
だから「ぼく」は昨日の出来事をおばあちゃんにお話します。
おばあちゃんの代わりに、「ぼく」が覚えているのです。
新しく出来た幸せな記憶を。
二人は今日も仲良く遊びました。
その途中で、おばあちゃんは自分がどこにいるのか分からなくなり、不安になってしまいました。
「ぼく」はおばあちゃんに「しんぱいしないで! たすけにきたよ!」と言いました。
おばあちゃんはホッと一安心。
二人で仲良くおうちに帰ります。
大好きな孫のことを忘れてしまうことにショックを受けるおばあちゃんを、「ぼく」はこう慰めます。
なかないで、おばあちゃん。
だって ぼくは いつも ここにいるから、いつも おもいだしたら いいじゃない?
と…。
大切な人に物忘れが起こるというのは、周りの人にとってもショックなことです。
なかなか教科書通りの接し方は出来ません。
けれど、おばあちゃんと「ぼく」の交流は、一つの理想の形だと思えます。
愛がいっぱい詰まっているから。
〈こういう方におすすめ〉
認知症をテーマにした絵本をお探しの方。
〈読書所要時間の目安〉
20分〜30分くらい。
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