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著…エミリー・ディキンスン 絵…ターシャ・テューダー 編…カレン・アッカーマン 訳…ないとうりえこ『まぶしい庭へ』

 瑞々しい感性で綴られた詩と、春夏秋冬を彩るあたたかな挿絵が結びついた、美しい本。

 「1800年代のアメリカの田園風景はこうだったのだろうか?」と想像しながら読めて、思わず郷愁に浸れます。

 1800年代を生きたこともなければ、アメリカに行ったこともないのに。

 不思議ですね。


 どれも自然の美しさを描いた作品。

 野の花の、かすかで優しい香りがしてきそう。

 わたしが特に好きなのは、満月についての表現。

月は 金のあごだった、
一日、二日まえには。
いま 月は 完全な顔を
下界に 向けている。

ひたいにはたっぷりと金髪、
頬はエメラルドの色、
視線を 夏の夜露に落としている。
わたしの いちばん好きな 月のすがた。

(著…エミリー・ディキンスン 絵…ターシャ・テューダー 編…カレン・アッカーマン 訳…ないとうりえこ『まぶしい庭へ』P20から引用)



 なんてロマンチックなのでしょうか。

 やわらかな金色の光が伸びていく光景がありありと目に浮かぶだけでなく、静かなピアノの旋律が聴こえてきそう。



 〈こういう方におすすめ〉
 美しい詩集を探している方。

 〈読書所要時間の目安〉
 20分くらい。

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