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著…中野京子『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』

 ゼウス、ヴィーナス、アポロン、そして他の神々の物語をモチーフにした絵画について紹介する本。

 1985年にレンブラントの『ダナエ』が恐ろしい目に遭ったことを、わたしはこの本を読んで初めて知りました。

 大事に大事に扱っていても絵画はどうしても経年劣化してしまうものなのに。

 なんと、『ダナエ』の腹部をナイフで二度に渡って切り裂き、硫酸を浴びせかけた輩がいるなんて!!

 無残に切り裂かれ、焼けただれた『ダナエ』。

 12年もかけて修復されたけれど、色彩や筆致まで完全に修復することは難しく、肉眼ではっきり見える傷も残ったそう…。

 おまけに『ダナエ』を傷つけた犯人は精神錯乱という理由で無罪に…。

 納得出来ない!!

 精神的に問題があったら何をしても許されるの?

 日本でも、神社仏閣の像などが意図的に壊されたり、油をかけられたりと、ひどい目に遭わされているけれど、無罪放免にしちゃ絶対に駄目ですよ!!

 作品そのものを傷つけるのは勿論、その作品を作った人たち、そしてその作品を愛して大事に受け継いできた人たちの心をも踏みにじる犯罪ですよ…。

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