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著…友利昴『職場の著作権対応100の法則』
●ZoomやTeamsといったオンライン会議で著作物を画面共有しても良いの?
●自社の著作物であれば社員は自由に二次利用出来るの?
●AIに描かせたイラストを商品に使っても良いの?
といった、仕事をする上で気になりやすい様々な著作権について教えてくれる本。
イラストや表を使った説明は無く、文章のみの本ですが、ポイントとなる部分を大文字や太字にしてくれているので、文章だけでも内容がスッと頭に入ります。
最近特に巷で話題となっている問題は、
●ネットで見つけた画像を利用しても良いの?
ということですよね。
「フリー素材。商用利用可」として画像を配布しているサイトはとても便利ですが…。
そう謳っている画像が実はSNS等から無断転載されるなどして不正に配信されている画像のケースもありますよね。
お金や時間をかけずに画像を手に入れたい気持ちは分からなくはないですが、権利侵害のトラブルに巻き込まれるのも怖いですし、結局は自社で用意した画像を使うのが一番良いですよね…。
また、わたしがこの本を読んでいて最も驚いたのは、フォント(書体)には著作権がないということ!
世の中の腕利きのフォントデザイナーさんたちが個性溢れる素敵なフォントを作っているので、わたしはてっきりフォントにも著作権が認められるのかと思っていました。
たとえば「あ」という一文字だけでも、フォントによっては優しげな「あ」があったり、怖い「あ」があったり、怒っている「あ」があったりと、雰囲気が全く違いますよね。
フォントデザインは、文章による表現を多彩にしてくれる方法の一つだと思います。
この本によると、
「最高裁はフォントが著作物といえる条件として、①従来のフォントに比して顕著な特徴、独創性を備えること ②フォント自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えることという、極めて高いハードルを課している。(中略)フォント制作には視認性や統一感を出すための創意工夫がなされているため、この判例に不満を抱くフォントベンダーは少なくない。しかし仮にフォントに著作権を認めると、文字を使ったあらゆる著作物の利用行為の度にフォントの著作権を気にしなくてはならなくなる」
のだそうです。
…うーん、非常に合理的な判断だとは思いますが、日々フォントを生み出している方にとっては「なんだかなあ」と溜め息をつきたくなりますね。
けれども、じゃあどんなフォントも使い放題なのか? と言ったらそういうわけでもないのが、世の中の仕組みの複雑さでもあり面白さでもありますね。
〈こういう方におすすめ〉
著作権について学びたい方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。
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