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著…酒井順子『下に見る人』

 人はどんな時に他人を下に見ようとするのか? ということを考えるエッセイ。

 本来、「どんな人が上で、どんな人が下だ」という境界線はありませんよね?

 そもそも、人は平等であるべきなので…。

 でも、残念ながらまだまだ人間社会は「縦」の繋がりで出来ています。

 それに、心が不安定な状態の人ほど、誰かを過剰なほど下に見ます。

 そうすることでしか、自分の心を守れないのかもしれません。

 そんな悲しい現実が、この本を読むとつくづく分かります…。

 自分を守るために誰かを攻撃して、嫌な思いをした人がまた誰かを攻撃して…。

 そんな負のリレーなんてしなければ良いのに…。

  「大人になって、既に教室でのいじめには加担しない立場にはなっているものの、今も別の場でいじめをやってはいまいか」

(著…酒井順子『下に見る人』 P11から引用)


 という一文が心に刺さります。

 また、

 「無心にお絵描きごっこを続ける姪っ子を見ていると、この子には丸の外側に出されてしまう疎外感も、誰かを丸の外側に弾き出すような傲慢さも持ってほしくないものだと、叔母は思うのです」

(著…酒井順子『下に見る人』 P21から引用)


 という一文にも、とても共感しました。

 出来るなら、正のリレーをしたいですよね…。



 〈こういう方におすすめ〉
 人間関係について悩んでいる方。
 
 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半〜2時間くらい。

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