著…土井善晴、中島岳志『ええかげん論』
土井先生と中島先生の対談集。
料理に限らず、様々な「ええかげん」について語られています。
「ええこと」も「悪いこと」もひっくるめて。
特に、立川談志さんがわざと落語から「うまさ」を消していったということに触れたエピソードが印象的です。
中島先生はこう述べています。
と。
これって、落語に限らず、あらゆる芸術にも共通することですよね。
上手いだけだったり、綺麗なだけのものだったりは、人の心を打ちません。
どれほど技術的に優れていたとしても。
自分の思いをいかに人へ伝えるか…。
それを突き詰めていくのは孤独な道を歩むことでもありますが、極めようとする者にしか見られない境地があるのでしょうね。
また、土井先生は、
とも述べています。
その年のその月のその日のその場所にいる自分にしか感じられない、何か。
思いがけない偶然が生む、心地よい揺らぎ。
それを鋭敏に感じ取って、たとえば料理であったり、落語であったり、音楽であったりと、様々な「表現」に昇華するのって、まさに職人技ですよね。
しかも、「意匠を凝らしましたよ」というアピールはしません。
それは野暮というものです。
ごくさりげなく、まるで自然にそうなったかのように表現するのが、「ええかげん」なのです。
粋ですよね。
〈こういう方におすすめ〉
「ええかげん」という考え方を身に付けたい方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間〜2時間半くらい。
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