著…飯島裕子『ルポ貧困女子』
●一度非正規雇用されるとなかなか正規雇用されない。
●正規雇用だが給与が少なく生活がカツカツ。
●仕事で心を病んで退職したものの、無職期間が出来たため再就職が難しい。
●水商売をして生計を立てている。水商売の経営者側は女性を逃すまいと優しくしてくれるので、ついその優しさに依存してしまう。
●家族からの虐待から逃げるため家を飛び出したが行く当てが無く、さまよううちに危険な目にあってしまう。
●実家暮らしをすることでどうにか生きているが、家族を頼れなくなったらどうなるか不安。
といった女性の様々な貧困問題の実態についての本。
世の中には時々「女性は困ったら親に援助してもらうか結婚して夫に養ってもらえばいい。それがダメなら体を売ればいい」といった発言をする人がいますが、この本を読むとそれがいかに短絡的な考えかがよく分かります。
「親」も「夫」もセーフティネットではありません。
体を売れば心も体もどんどん病んでいってしまいます。
「普通」のレールから外れた人は落伍者扱いされる社会。
多様な選択肢があるのは恵まれている人だけ。
男女問わず言えることですが、今時は「普通」ってとても贅沢ですよね。
身なり等はきちんとしていて平然としているように見えても、実は心の中では追い詰められている人だって、世の中には沢山います。
貧困問題については「自己責任」「努力不足」などと冷たく吐き捨てる人もいますが、少なくともこの本に登場する人たちは好きで貧困に陥ったわけではありません。
働いているのに困窮する場合があるという世の中の方が異常であり、社会全体の問題だと思います。
〈こういう方におすすめ〉
貧困問題を「他人事ではない」と感じている方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。
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