企画協力…縣秀彦 著…入澤宣幸 絵…朝倉世界一『住みたくない星ずかん』
宇宙について楽しく学べる児童書です。
「勉強している」というよりは、漫画を読むような感覚でスイスイ読めます。
小学生の男の子・レンくんは家出中。
レンくんは偶然、宇宙人であり不動産屋さんでもあるというフドちゃんと出会います。
家出先にぴったりな土地を求めて、なんとレンくんとフドちゃんは地球を飛び出します!
いざ、内見の旅へ!
なんてグローバルな物件探しなのでしょう!
…あれっ、「グローバル」って地球全体を指す言葉なのに、この二人は地球から飛び出しているから、この場合は誤用になってしまいますね。
お詫びして訂正します。
…なんて宇宙規模な物件探しなのでしょう!
二人は仲良く星めぐり。
危険な星でも平気で売り込もうとするフドちゃんの軽快且つ狂気のセールストークや、レンくんの「そんなに夜がこないとねむれないよ」という冷静且つ鋭いツッコミも面白いです。
二人の会話を読んでいると、「月は昼と夜の温度差が300℃近くになる」「金星は昼夜問わず約500℃」「水星は地球時間にすると昼が88日間続いて夜が88日間続く」といった知識を自然と得ることが出来ます。
「トラピスト1e」や「プロキシマb」といった、普段目にすることのない名前の星のことも学べました。
この本を読むと、地球という星のありがたみをひしひしと感じられます。
地球は残念ながらあちこちで災害が発生する星ではありますが、他の星々と比べたら安全に住める超優良物件です!
…立地的には素晴らしいのに、地球人同士が争ってばかりで事故物件にしてしまっているのが残念…。
もし宇宙版の『大島てる』に載っていて、異星人たちがそれを閲覧していたら、地球に申し訳ない感じがしますね…。
〈こういう方におすすめ〉
宇宙に興味があるけれど、勉強は好きじゃないよという方。
ブラックジョークが好きな方。
地球の素晴らしさを再認識したい方。
〈読書所要時間の目安〉
1時間以内。