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著…高橋和巳『子は親を救うために「心の病」になる』
子どもは生まれた時はまっさらな状態。
子どもは一番身近な人間・親を真似ることで生き方を学んでいきます。
しかし。
親=完璧な人間、というわけではありません。
親の気持ちの偏り、嘘、間違いなども含めて子どもはコピーしてしまい、親が抱える苦しみを子どもも味わうことになります。
だから、子どもが心の病になった時は、子どもだけでなく親へのケアも必要。
…という内容の本です。
また、子どもの親もその親から我慢を強いられるなどの辛い目にあわされていた場合もあります。
親の歪んだ生き方を継いだ子が大人になって、子どもを生み、今度は自分が子どもを苦しめる側となってしまう…。
世代を超えた悪循環…。
しかし、大人が誰かに助けを求めるのは、かなり勇気の要ること。
まるで知らないうちに出来たガンが大きくなっていくかのように、自分が心に傷を負っているという自覚が無いまま精神的にどんどん病んでいく人も居ます。
もしかしたら、親が出せないSOSを子どもが代わりに出すことで、子どもは親のことも救おうとしているのかもしれません。
それを想像すると、「親の愛」という言葉があるけれど「子の愛」の凄さにも驚かされます。
著者のもとへ相談に来た親が自分自身の子どもの頃を振り返るくだりを読んでいて、わたしは震えました。
「菜奈は私のことを見ている。優しい目で見ているんだと思いました。それは私が恐怖の目であの人(母親)を見ていたのとは違う」
「菜奈がポロポロ涙を流しました。私は自然と娘の頭を抱いて、よしよししてあげました。そんなことをしたのは最近なかったんです。その日、どうしてできたのか、自分ではわからないのですが、自然とそうしていました。(中略)そうしたら、ふーっと力が抜けてきて、温かくて不思議な気持ちになりました。『これでいいんだ…』とその時は思いました。今思うと、私が許された気持ちになったようでした」
自分が親にしてもらいたかったけれど、してもらえなかったこと。
それを自分が子どもにしてあげることによって、救われるのかもしれませんね…。
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