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作・絵…クロード・K・デュボア 訳…小川糸『ふたりの箱』
家から出て行くお父さん。
家に残る娘のジュリー。
これは、ジュリーがお父さんの背中にこう叫ぶところから始まる絵本。
「お父さんなんか、大っきらい!」
⭐️単行本版
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
こんなことになった原因は、お父さんがお母さんを悲しめたから。
…一体何があったのでしょうか?
そこははっきりと描かれません。
その分、想像を掻き立てられます。
お父さんもジュリーも、相手への気持ちを、自分の心の中の箱に閉じ込めることにしました。
箱に入れて、ふたをして、もう誰の目にも触れないようにしまい込むのです。
そして、2人はそれぞれの生活を送ります。
お父さんは会社に行きますし、ジュリーは学校に行きます。
別々の人生を歩み始め…るのですが。
2人ともどんどん元気を失っていきます。
離れ離れでも、いつも心の片隅にあるのは、相手のこと…。
…恐らく、お父さんは相当なことをやらかしたのでしょうね。
だからこんなことになったのでしょう。
きっとお父さんにとっては相応の報い。
「ごめんなさい」では済まされないことって、世の中には沢山ありますから。
でも…。
少なくとも、子どもであるジュリーには罪などありませんよね…。
いつかお父さんとジュリーが笑顔を取り戻せる日がくるのでしょうか?
それが気になった方は、是非この本を読んで確かめてみてください。
〈こういう方におすすめ〉
父と娘の愛情を描いた本をお探しの方。
〈読書所要時間の目安〉
20分〜30分くらい。
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