冷凍食品
無性に冷凍食品が食べたくなるときがある。
それはきまって夕刻。
まだ実家暮らしだったころ、焼きおにぎりや今川焼きを夕方のおやつとして食べていた。そのときの感覚が五臓六腑に残っているのだろう。「久しぶりに冷凍の焼きおにぎりでも食べるか」となって、実際に夕刻に食べている。
私的・大人の贅沢。
*
自分が口にするものについては、その歴史をある程度知っておきたい。その読書欲に応えていたら、気づけば自宅の本棚に「食コーナー」ができていた。
冷凍食品についても、以前冷凍ピラフをチンして食べているとき、「そういえば、いつからあるんだろう」と気になり、調べてみたことがある。
庶民の間に普及したのが1970年代で、開発自体は早くても1960年代ーー私のイメージする冷凍食品の歴史はこんな感じだったが、実状はかなり異なるものであった。
私の予想に反し、事業としての冷凍食品は、その出発点を大正年間にまで遡ることができる。
尾辻󠄀昭秀によると、北海道にあるニチレイ森工場には、葛原猪平の業績を讃える「日本冷凍食品事業発祥の地」の記念碑が建てられている。また、2020年には、冷凍食品事業の門出から100周年にあたり、森町と日本冷凍食品協会の共同で、記念式典の開催が計画された(感染症の流行で中止)。
ちなみに、上記の引用文中に、「現在の冷凍食品の定義に不足する部分がある」という一文があるが、ここでの「定義」について、日本冷凍食品協会は以下の4点を要件としてあげている。
(1)前処理してある
(2)急速凍結してある
(3)適切な包装がしてある
(4)品温をマイナス18℃以下に保持している
日常生活の中で、「冷凍食品の定義を教えて」などと質問されることは、まあ無いとは思うが、一応頭に留めておきたいと思う。
※※サポートのお願い※※
noteでは「クリエイターサポート機能」といって、100円・500円・自由金額の中から一つを選択して、投稿者を支援できるサービスがあります。「本ノ猪」をもし応援してくださる方がいれば、100円からでもご支援頂けると大変ありがたいです。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。