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【本で旅する Via】洞窟みたいな空間で、心ゆくまで読書を愉しむ大人の隠れ家(荻窪)|本の棲むところ(4)

この連載本の棲むところは、独立書店やブックカフェなど、本の置かれている居心地のよい空間をふらりと訪ね、ゆるりとご紹介するコラムです。

荻窪駅から北西に向かって徒歩6分、読書するための居場所「本で旅する Via」さんを訪ねました。ここは旅にまつわる本が1,000冊近く揃う、いわゆるブックカフェです。

店主はもともと旅行会社に勤めていた伊藤雅崇まさたかさん。古書店で見習いを経験したのち、2022年6月にこのお店をオープンしました。

大通りから一本入った路地裏に構えていることもあって、“大人の隠れ家”と呼ぶにふさわしいシックな雰囲気です。まるで洞窟の中にいるような日常と隔絶された空間で、心ゆくまで読書に没頭することができます。

店内のいちばん奥にある半個室。この日は寒かったので、タワー型のヒーターと毛布を貸していただきました。

料金は時間制で、ドリンクは何を頼んでも1杯目、2杯目、3杯目と徐々に下がっていく独特な仕組み。棚に置いてある本は自由に読めて*、気に入ったものがあれば買って帰ることもできます。もちろん、自分の好きな本を持ち込むこともできます。

*一部、新刊に関しては購入する必要があります

オリジナルブレンドコーヒーと、
リンゴとクリームチーズのマフィン

店主の伊藤さんが、「ほんのひとときの読者さんならば……」と薦めてくださったのがこちらの一冊。

モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語
(内田洋子 著/方丈社)

ヴェネツィア在住の筆者が、或る古書店との出会いをきっかけにイタリアの山深い村を訪ね、本の行商で生計を立ててきた人々の軌跡を追う物語です。欧州の複雑な歴史も絡みつつ、時空を超えた旅へと読者を誘います。

たくさんの本に囲まれ、日常から隔絶されたこの空間で読むのにまさにぴったりの一冊かもしれません。

皆さんも荻窪の隠れ家で、異国の文化に触れる“本の旅”を愉しんでみてはいかがでしょうか。

文・写真=飯尾佳央

◉本で旅する Via
東京都杉並区天沼 3丁目9-13
JR・東京メトロ荻窪駅より徒歩6分
https://via-ogikubo.com/

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