素人の落語会
図書館で素人倶楽部の
新春落語会があった。
間の置き方や滑舌の悪さなど、
下手加減が味や楽しさにもなる。
どの噺もネタがよいので面白いが、
工夫を凝らした枕もいいものだ。
女性の噺家が枕に自分の手術、
カテーテル手術の噺をした。
手術室に入ると音楽が流れている。
それがなんとオフコースの歌声。
手術台にあがっていよいよの時、
かかっていた曲が「さよなら」。
♬もう終わりだね♬
ああ、私はこれで最後か。
さらに追い打ちがかかる。
♬さよなら さよなら さよなら♬
ああ、この世ともさよならか。
そして、麻酔で眠りにつく。
小田和正の美しい歌声が、
純愛の曲が落語の枕になるなんて。
ギャップが落語の醍醐味、
手術が終わると周囲は白かった。
♬もうすぐ外は白い冬♬
お後がよろしいようで。